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プロダクトマネージャーがリモートワークを考える

この記事を書いている人

今井隆文。慶應義塾大学総合政策学部卒業。大学時代はHCI研究に取り組み、卒業後2018年リクルート入社。入社後は、『スタディサプリ進路』のUX改善・機能開発・商品企画を担当。2020年10月から飲食/進学の領域兼務を経て、2022年4月から、『ホットペッパーグルメ』のプロダクトマネージャー(PdM)とチームリーダーに従事。加えて、リクルートが参画する東京大学における「先端アートデザイン社会連携研究部門」に協同研究員として参加中。

この記事は、リクルート  プロダクトデザイン室  アドベントカレンダー 2022 24日目です。
12/24って、おそらく多くの人にとって1年の中でも特別な日ですよね。そんな日に、この記事を開いてくれた方、あとからこの記事を読んでくれている方、どちらもありがとうございます。

さっそく本題なのですが、「リモートワーク」難しくないですか?読んでいたただいている皆さんの中には、「いや、そんなことないよ」という人もいるかと思うのですが、僕は最初結構戸惑いがありました。

自己紹介のとおり、自分は2020年に部署異動をし、2つの領域のPdMを兼務する生活を1年半送っていました。しかも、異動したタイミングはまさにほぼ全社員がリモートワークで働いていたタイミング。
一緒に働くエンジニアの顔も、同じグループのメンバーの顔も分からない(リクルートは社内オンライン会議は顔出し任意です)みたいな日々がしばらく続きました。思い返すと、あの瞬間が社会人になって一番つらい時期だったかもしれません...

ただ、今はリモートワークにそこまで難しさを感じていません。もちろん、会社全体がリモートワークに慣れたという一面もありますが、僕自身も難しさを取り除くための取り組みを重ねているからです。

PdMやチームリーダーは、必ずチームでの成果を求められる職種だと思っています。職種も得意不得意も違うメンバーを取りまとめて、プロダクト開発を推進する役割だからこそ、「なんとなく働きづらい」という課題には真摯に向き合っているつもりです。
この記事では、その課題に対して、自分が何を意識して、どう取り組んできているのか?をお伝えできればと思います。

読んでもらいたい人

PdMやチームリーダーとして、チームでの成果を最大化するために、組織環境や働きやすさを大事にしたいと思っている人。
リモートワークになって、それが以前よりも難しくなったと思っている人。

お伝えしたいこと

リクルートでPdMとチームリーダーをしている自分が、リモートワーク前提の働き方において、働きやすさを高めるために実践している以下の3つのこと。

  1. 雑談のタネを撒き続ける

  2. 自分自身の悩みの解決を怠らない

  3. 対面会議を適切に使う

1 雑談のタネを撒き続ける

皆さんリモートワークが当たり前になってからも、「雑談」ってしてますか?出社してた頃は、どうでしたか?
ちょっと自席で伸びをしたとき、コーヒーを買いにカフェに向かう道中、エレベーターの中、日々顔を合わせるメンバー/上長と、なんてことない会話してませんでしたか?
僕は「雑談を通じて、相手のことが分かる」ということには価値があると思っています。
ほとんど話したことない人とのコミュニケーションって、なんてことない1つの発言に「この人、何を気にしてるの?」と分からなくなったり、「今相談して良いのかな...」と気にして話しかけられなかったりするときがありませんか?
仕事のテーマとは関係ない話(=雑談)を普段からしていると、その人の思考や発言の特徴/今その人が何をしているかが分かってきます。それが分かると、分からなかったから無駄に気にしてしまっていたことを、気にする必要がなくなるんだと思っています。

ただ、リモートワークになってこれが本当に減りました。みんな目の前のタスクの話をするんです。当たり前ですよね、だって話す機会と言ったら「会議」だけですもん。そりゃ仕事の話をしますよ。
でも、それだと要らない力が皆に入ります。お互いに「これ本当にちゃんと伝わった?」「怒られてるのかな...」「今話しかけたら悪いから、また今度にしよう」と考えてしまい、牽制し合うような構図が出来てしまいます。
そこで僕がしていることが「雑談のタネ」を撒き続けるということです。「タネ」の撒き方にはいくつか方法があります。
まず1つめに、僕が所属する組織では、毎週の定例で「テーマトーク」と題して、1つのテーマに対して全員が1〜2分ずつ発言していく機会を作ってます。
もちろん、これだけで「皆のことがよく分かりました!」みたいなことにはなりません。(なったら楽なんですけどね..)「〇〇さんって、これに詳しいんだ!」とか「魅力伝えるの上手い笑」とか「普段はこういうことをしてるんだー」いうことを知れるのが「雑談のタネ」です。
コミュニケーションを活性化させたいときに、「皆!積極的にコミュニケーションを取っていこう!大事だよ!」っていうのが、一番の愚策だと思ってます。それが出来たら困ってないんですから。だからこそ、「タネを提供する」ということが重要です。

定例での「テーマトーク」の一例

もう1つ提供できる「タネ」があります。それは「自分がどういう人か」を積極的に開示することです。僕はK-POPや映画が好きなんですが、事あるごとにそれを発信するようにしています。そうすると、共通の話題を持っている人が話しかけてくれることがあります。自分をハブに「実は、誰々も同じくそれ好きなんですよ!みんなで話しましょう!」のように雑談が始まるんです。(実際にK-POP好きで話しかけてくれた人を、問答無用でK-POPの話をするSlackチャンネルに入れているんですが、お互いに話しかけづらいと思ってしまっていたPdMとエンジニアなどの関係者で、日々、新着ニュースを送り合っています笑)

ある会での自己紹介スライドの例(趣味の話がメイン)

2 自分自身の悩みの解決を怠らない

2つめでいきなり、メンバーの話じゃなくて、自分の話!?と思った方もいるかも知れません。
ただ、PdMやチームリーダーが「チームのことを考えなきゃいけない」と言っても、自分だって大変なんだよっていうのが本音という人は多いんじゃないでしょうか。
僕もそうです。メンバーと対峙して、組織を良くしようと思うと、自分のなんとも言えない悩みも増えていってしまいます。
そんなとき大事にしているのは「その悩みの解決を怠らない」ということです。
PdMやチームリーダーは、考えないといけない範囲が広い役割だからこそ、自分の悩みをちゃんと解決することを大事にしています。そうしないと、組織やチームのことを考える余裕がなくなり、最終的には、チーム全体に負の循環が回ってしまいます。
そんなときにリクルートには「よもやま」といういい文化があります。(有名な話なので、もしかしたらどこかで聞いたことある人も多いかも知れません)
僕がこの文化をいいと思っているのは、「なんでも話していい」ことよりも、「よもやましたいです!」という依頼が断られることがほぼ100%ないことです。
ちょうど少し前にプロダクトデザイン室のnoteで、執行役員の塩見の記事でもよもやまについて触れられていましたが、これ、本当に断られないんです。笑
僕は、自分の中に悩みが生まれたときは、1週間で業務上関係ない人も含めて、10人くらいとよもやまをします。設定は簡単で、Slackやメールで一本「よもやまさせてくれませんか?」というだけで、マネージャーであろうが、役員であろうが、すぐに会議設定できます。
そこで、自分が何にもやもやしてて、その人ならどう考えるか?を聞くことで、自分の悩みの解像度を上げていくんです。
自分は、そうやって色んな人の考え方/やり方を自分の引き出しに入れ、自分なりのやり方に合わせた方法を、日々実践していくようにしています。(一度は完全に真似してみることもあります)

3 対面会議を適切に使う

いや、それありなのずるくない?と思った方すみません。ただ本当に大事なんです。
大事なのは「適切に使う」ということです。一番ダメなのは、「リモートだとなんかやりづらいから、出社してやろうよ!!」という目的での対面会議です。
その理由で実施した対面会議は、だいたい「これなんで出社してやったんだろう」となります。そうではなく「この議題について、一度対面で話しきってしまおう」や「今期の振り返りを、対面でお菓子でも食べながらやろうか」のように、目的を明確にして行うことです。
自分の所属するチームやプロジェクトでは、冗談の意味も含め「合宿」と呼び、思い切って2〜3時間くらい時間を取り、対面会議を開くことがあります。
その時は、話すこと/決めることを明確にして、それが終わった後にはリモートで具体を詰めていけばいいだけというゴールを目指して議論しきります。
この場を設けることで、「大上段のところは、あの対面会議でちゃんと擦りあったよね」という意識を共有することにつながり、以降はリモートでも変な認識齟齬を回避して、業務を進めることができています。

さいごに

僕は、リモートワークを間違いなく便利な働き方だと思っています。今となっては電車移動で貴重な時間を消費していたなんて考えられませんし、効率的な仕事の仕方が可能になっていると思います。
ただ、難しいことが多いのも事実です。ここまでで書いた3つ以外にも、共同編集できるデザインツールの導入や、オンラインホワイトボードの活用なども当たり前に行い、働き方の改善を重ねています。
しかし、この新しい働き方や文化に対して、どう我々がアジャストするか?という時代に生きていると考えると少しワクワクしませんか?
「オンライン飲み会」が一瞬だけブームになりました。でも、すぐ下火になりましたよね。「あれ全然良くなかったよねー」と一蹴するのは簡単ですが、あの取り組みもまた、この時代にどう対応するかの努力の1つだったのだと思います。(たしかに、社会にそこまでは受け入れられませんでしたが)
変化は楽しいと思います。せっかくならこの変化を楽しんで、新しい時代を作っていきましょう!

読んでくださった方にとって、少しでも役に立つTipsになり、願わくは少しでもリクルートに興味を持ってもらえたら幸いです!

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