新機能開発における業界時流の捉え方〜『ゼクシィ 縁結び』の事例から
見出し画像

新機能開発における業界時流の捉え方〜『ゼクシィ 縁結び』の事例から

リクルート プロダクトデザイン室

こんにちは。『ゼクシィ 縁結び』のプロダクトマネージャーをしている小坂井です。リクルートには2020年4月1日に中途入社しまして、これまで市場調査やプロダクトの新機能企画を担当してきました。

今回は、プロダクトの新機能開発の考え方について、『ゼクシィ縁結び』における「オンラインデート機能」開発を例にとってご紹介したいと思います。

新機能を開発するというシーンにおいて、こんな疑問が生じることがあると思います。

・実際に使われるような普遍的なニーズがあるかわからない

この記事では、以下を持ち帰っていただけるように書きます。

新機能が普遍的なニーズに沿ったものであるかどうかを見極めるための業界時流の捉え方


『ゼクシィ 縁結び』とは


はじめに、『ゼクシィ 縁結び』について簡単に説明します。

画像1

『ゼクシィ 縁結び』は、婚活のマッチングアプリです。
他のマッチングアプリとの大きな違いは、男女有料(同業は主に男性だけ有料)なので、より婚活に真剣な男女が多いことです。


カスタマーが、アプリを利用検討するところから退会するまでの流れは以下の図の通りです。

画像10

『ゼクシィ 縁結び』のカスタマーは会員登録後、会員を検索することができ、気になるお相手に「いいね」できます。お互いに「いいね」するとマッチングし、マッチングした相手とメッセージしたい場合有料会員になります。そしてパートナーが見つかるなどのきっかけにより退会します。

新機能企画のための業界時流の捉え方

それでは本題の事例についてお話します。
2020年4月7日に発出された緊急事態宣言により、外出自粛になりました。
私も在宅勤務になり、そのような状況に困惑している中で感じたのは、


「マッチング業界ってどうなるんだ?」

そして、

「”コロナ”をどう捉えてプロダクトをどうしていくべきだろう?」

ということでした。
既に、いくつかの同業他社はこの状況に合わせて「ビデオ通話機能」の対応を発表し、初回デートのオンライン化の流れは来ておりました。

しかし、「本当にやるべきなのか?」

具体的には、
「コロナ対応は既存機能の改善より重要か?」
「緊急事態宣言が解かれたら、新機能は使われなくなるのではないか?」

こんな疑問がいっぱいありました。
誰も解を持っていない、事業全体が悶々としていた時期でした。


このような、先行き不明な未来にたいして、どのように考えて新機能を企画していったのか?についてお話します。


ナレッジポイントは、『“4C”で業界時流を捉える』です。



4Cとは、何か?



4Cとは、一般的な3C(市場、顧客、競合)というマーケティングのフレームワーク にCountry(海外事例)を付け加えた独自のもので、業界を日本だけでなく世界にまで、視野を広げて捉えることです。

画像3


事実、例えば学びの領域では、海外で流行したサービスが日本でも流行してきています。

画像5

このような波は、皆さんも肌で感じているはず。ファッションもそうだし、動画サービスもそう。皆さんの担当領域で、海外で一番進んでいる国はどこなんでしょうか?日本なんでしょうか。
もしかしたら、参考にできるかもしれません。


マッチングアプリでも同じように 海外先進国事例から予測できるのでは?と考え、4Cという構造で考えていきました。

画像4


では具体的にはどうだったか。
マッチングアプリ 先進国(アメリカ)では結婚したカップルの1/3はネットで出会うというデータもあります。
(出典:https://www.afpbb.com/articles/-/2947797)

そのアメリカのマッチングアプリの一部では、既に「ビデオ通話機能」に対応していました。


「この流れは、日本にも来るのか?」


ここで、ポイントです。海外のものをそのまま持ってきてもダメです!
どの事業もそうだと思いますが、海外と日本では、商習慣もカスタマー文化も異なります。どう日本流に落とし込むのか、それを考えるのが重要です。

画像6

※独身の約半数がデーティングアプリを使用(出典:https://toyokeizai.net/articles/-/266593)


アメリカのマッチングアプリでは既にビデオ通話に対応していました。国土が広く、直接会うハードルが高いという理由から、ビデオ通話への心理的なハードルが低いのではないかと推察できます。


では日本の市場はどうか?
定性調査により、婚活と恋活でユーザーのニーズは分かれていることがわかっております。

画像9

恋活は、フィーリング重視で多くのユーザーから選べるのが価値。一方で婚活は、恋愛の時よりも独身証明や年収などのパーソナルな情報を知った上で、出会えるのが価値です。
結婚に繋がる出会いのため事前の情報でスクリーニングできるのが、婚活目的のユーザーにおいてのマッチングアプリの価値です。


その違いから、ビデオ通話機能において求められるコンセプトも違うと考えられます。

画像9

恋活では会えない時のデートの代替。すなわち、気軽さが求められます。
一方で、婚活は直接会う前に相手と気が合うかを安心して確認できる、効率性が求められます。
前者はコロナ時期特有のニーズ、あるいは局所的なニーズ。後者は普遍的なニーズであると考えます。


スクリーニングが大事な婚活目的のユーザーにとって、効率化できるビデオ通話機能は、一過性のものではない。そう、確信を持てました。
そのため、コロナは対応しなければならない危機ではなく、追い風であり文化形成のチャンス。
そう捉えビデオ通話機能の開発を決めました。


その後実際にリリースしたオンラインデート機能の利用者の満足度は、90%。利用者のLTVも向上しました。

画像9


まとめ

まとめると、
プロダクトの新機能開発において、その機能が普遍的ニーズに沿ったものであるかどうか見極めるためには、以下が重要です。

・4Cで業界時流を捉える
そして、日本のカスタマーに合わせてチューニングする

プロダクトの新しい機能開発の検討をするときに、
この機能を開発すべきか否かを判断する一つの手段として、お役に立てれば幸いです。

それでは!

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!

プロダクトデザイン室では、一緒に働く仲間を募集しています。

ありがとうございます!
リクルート プロダクトデザイン室
株式会社リクルート プロダクトデザイン室の公式noteです。社員のインタビューや各職種・事業の業務について紹介しています。