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『ゼクシィオンライン招待状』のプロダクトオペレーションについて

こんにちは、婚活や結婚、出産育児などを取り扱うマリッジ&ファミリー領域のSaaSプロダクトでプロダクトオペレーションを担当している保坂といいます。
趣味はボードゲームとコーヒー・ワインが好きで、今冬はワインのアドベントカレンダーを毎日楽しみに開封しています♪
今日は、『ゼクシィオンライン招待状』のプロダクトで今年の10月から取り組みを始めたプロダクトオペレーションについて、その役割と取り組みを紹介させていただければと思います。


プロダクトオペレーションとは

プロダクトオペレーションは、プロダクトマネージャーを顧客として、プロダクト開発におけるディスカバリー(要求発見〜優先順位付け)、開発、デリバリーをより効果的かつ効率的に推進するための支援を指しています。
そして、機能横断的な協力を促進し、プロダクト開発プロセスを効率化して、顧客のニーズを満たし、ビジネスの成功を推進することを目的にしています。
(これには、プロダクトライフサイクル全体とプロダクトマネジメントチームをサポートする幅広い責任、プロセス、プラクティスが含まれます。)
まだまだ聞き慣れない方も多いかと思いますが、海外では、大きなネット企業を中心にプロダクトオペレーションチームを置く流れがでてきているようです。日本では、これから広がっていく段階かと思います。

プロダクトオペレーションの提供機能の例:

  • データ活用の促進:プロダクトマネージャーが戦略的なプロダクトビジョン、ロードマップの計画、および顧客中心の活動に集中できるよう、意思決定に必要な定量的および定性的な情報の活用を支援します。また、データに基づいた意思決定文化の構築を行います。

    • 定量データの例:製品の成功を測定し改善を導くための製品メトリクス、分析、パフォーマンス指標が含まれています。

    • 定性データの例:ユーザー調査、顧客フィードバック、市場の洞察が含まれています。

  • ツールとシステムの管理:適切なツールとシステムを活用することで、プロダクトオペレーションはプロダクト組織全体でのシームレスなワークフロー、生産性の向上、より良い意思決定を実現します。

  • 効率的なプロセスの確立:方法論とベストプラクティスの導入や、プロダクト組織内での持続的な改善を促進します。


プロダクトマネージャーと、プロダクトオペレーションの違い

プロダクトマネージャーとプロダクトオペレーションは、その仕事を奪い合うものではなく協働しあうものですが、役割として下記のような違いがあります。

出典: https://www.launchnotes.com/blog/product-operations-vs-product-manager


プロダクトオペレーションは新しいのか?

プロダクトオペレーションの活動自体は新しいものではないと考えています。
これらは、通常のプロダクト開発チームであればプロダクトマネージャーや、スクラムマスターやアジャイルコーチなどの有志メンバーが必要に応じて実施していたプロセス改善活動や、サポート活動等の延長にあると考えています。
ですが、ただでさえ忙しいプロダクトマネージャーやスクラムマスターに負担をかけて大きく改善をしていくことは現実的に難しいですし、有志の活動には継続性の観点・実効性の観点で限界が生じるのを経験してきました。
そのため、このプロダクトオペレーション機能を提供する役割・チームを明確にし、継続性を持たせることが重要なポイントだと考えています。


『ゼクシィオンライン招待状』におけるプロダクトオペレーション

まだ始めたばかりですが『ゼクシィオンライン招待状』におけるプロダクトオペレーションの事例や、今後検討している事項について、簡単に紹介させていただければと思います。

『ゼクシィオンライン招待状』とチームについて

ゼクシィオンライン招待状』は、「WEB招待状」「ゲスト情報管理」「オンラインご祝儀決済」の3機能を備え、ゲストの招待から出欠・ご祝儀管理までをWebで対応でき、結婚式の準備におけるカップル、ゲスト、会場それぞれの負担を軽減できるサービスです。

『ゼクシィオンライン招待状』の立ち上げ秘話やこれまでの取り組みについて、よろしければ下記の記事も閲覧いただければと思います。
新規プロダクトの品質と魅力を高める!3つの工夫
②既存事業領域における新規事業 スモールチームでのスピード感ある立ち上げ秘話

プロダクトの開発変遷:
『ゼクシィオンライン招待状』は、2021年中頃から開発をしており、2022年にβ版の提供、今年(2023年)の6月に本格的なリリースを迎えました。
初期開発時からスクラムのフレームワークに沿って開発をしており、私は初期のスクラムマスター、β版のリリース後は開発を統括する立場として関わっておりました。
当初は10名ほどのチームでしたが、現在プロダクト開発チーム全体でデザイナー・開発メンバー・テスター含め20名弱ほどのチームになっており、特にプロダクトマネージャーは兼務の方も含め6名ほどが在籍しており人数が急激に増加しました。

プロダクトオペレーションを始めようと考えた理由

『ゼクシィオンライン招待状』チームでプロダクトオペレーションの役割が必要だと考えたのは、下記の2つの理由からでした。

  1. 前述の通り、プロダクトマネージャーの人数が急激に増加し、これまで属人化していたプロセス定義・効率化の必要性が上がったため

  2. 本格的なリリースを経て、意思決定の面でよりデータを活用した意思決定の必要性が上がったため

プロダクトオペレーションの活動とは明示せずやっていた活動も多くあり、まずは名もなきプロダクト開発の改善活動等を明示的にするところから始めた形です。しかし参考にした書籍でもプロダクトマネージャーの数が5名以上になることにより、自然発生的にそのような役割が生まれるケースは多いようで、必然性があったと考えています。

プロダクトオペレーションの活動テーマ

現在、チームでのプロダクトオペレーションとしては、下記の3つのテーマで取り組みを行っています。
今期は、情報の収集についてはモニタリング基盤の構築や営業チームを通じた情報収集など初期から積み上げてきた仕組みが有り課題感は薄いため、案件のプロダクト開発プロセスの確立と、収集したデータの意思決定への活用促進を主眼に取り組みを行っています。

下記が実際のテーマとなり、まずは全体的なプロセスの見直しから進めております。

  • 案件開発プロセスの確立・効率化

  • プロダクト意思決定の透明化

  • 案件検討データ活用基盤の構築

本日の記事では具体的な事例は省きますが、また別の機会にお伝えすることができればと思います。

あなたのチームでプロダクトオペレーションを導入しようと思ったら?

最後に、プロダクトオペレーションを導入したい方向けに、こうしたら良いのではないか?と考えていることを書かせていただきます。

主な導入の障害と対応について

■マネージャーの説得の仕方
マネージャーにどのようにプロダクトオペレーションの必要性を問いて、公式の活動とすることに許可をもらうか?というのは大きな課題だと思います。
これに関して、最初に触れた通りプロダクトオペレーション自体は新しい活動ではないこと、現在も名もなき仕事としてどこかで行われていることを説明するのがいいと考えています。

■スキルセットの乗り越え方
最初の役割を読んだ方は、プロダクトオペレーションがデータ分析やプロジェクトマネジメントなどの専門性のあるスキルを必要とすることを感じたかもいると思います。
実際に、The Product Management Triangle (by Dan Schmidt)の記事にある「プロダクトマネジメントトライアングル」で定義されるような、ハードスキルの一部を肩代わりするようなことが必要となるケースが多いと思います。
これを個人で提供するのは非常に難しいため、そんな時は職能に関わらずスキルを持ったメンバーに手伝ってもらいチーム化することをおすすめします。
書籍等でもプロダクトオペレーション”チーム”と記載されていることが多く、チームで必要な支援を行っているのではないかと思われます。

参考となる書籍など

最後に参考文献ですが、残念ながら日本語の書籍は現在見当たらず、海外の書籍ですが下記が参考になると思われます。
まず、ざっくり理解したい方には、「Introduction to Product Operations」がページ数も少なく参考にしやすいかと思います。更に、各社の事例や特にデータ活用をしてのプロダクトマネジメント支援について興味のある方は、「Product Operations」をおすすめします。

今後の展望など

まだまだ始めたばかりで、具体的な事例や効用については本記事では語れませんでしたが、今後取り組んでみての詳細な事例や結果などを記載させていただければと思います。
まずは、本記事がプロダクトオペレーションという役割の紹介と、名もなき仕事が多くなってきたプロダクトマネージャーの方への指針となればと思います。



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