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ノンデザイナーチームがYoung spikesでGoldを受賞するためのアイデア発想法


はじめまして!
リクルートでプロダクトデザイナーをしている高彦です。
名字が高彦なので今日は名字だけでも覚えていただけると幸いです!

さて、突然リクルートのブログの中で言うかどうか悩ましい話ではあるのですが、この度2021年度Young Spikes Integrated CompetitionでGoldと
相成りました!いえい!すごい!やったね!

そもそもYoung Spikesってなんです???

Spikes Asiaと呼ばれるAPACで一番権威がある広告賞で

The entries for APAC's most prestigious creative accolades, Spikes Awards and Tangrams Strategy & Effectiveness Awards, are being judged. The 2021 awards will take place in February, bringing them forward to the first quarter of the year.

そのU-30のコンペがYoungSpikesです。
部門がIntegratedとMovieの2つがあってそれぞれが共通にお題について
答えていきます。
今回受賞したIntegrated部門がどんな人が参加してるかというと

The Young Spikes Integrated Competition welcomes Art Directors, Brand Marketers, Copywriters, Strategists & Planners, Account Managers, PR Executives and other branded creative communications talents to compete.

幅広…!
調べるまで全然知らなかったのですがこんなに色んな人が出てたんだ…
と思いつつ、僕たちのペアはコピーライターの高彦と

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クリエイティブテクノロジストの村上(電通)という

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アメリカのDia Beaconに行ったとき。仲良しがすぎる。

たまたま机が隣になった二人が4年半挑戦し続けた結果だったりします。

今回のお題と提案したもの

毎回YoungSpikesは解決するべきお題が出題されます。
今回のお題は「Overfishing」。クライアントはNPO「Conservation International」で、ターゲットである企業の執行役員(CxO)とパートナーシップを作り「持続可能なシーフードを実現する」キャンペーンを提案せよというのがお題でした。

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…と、具体的な話をしてもいいんですが、スライドは交えつつ
アイデア発想とかコピーライティングとかチームとか
どうして僕がリクルートにいるのか!とか
そういうのをお話できたらいいかなと思います。


①マジック30

何かを企画するときに、僕たちは必ず30案以上出す、ということをルール付けていました。その理由はいたってシンプルで30案以降に出したものがいいアイデアであることがとても多いから。
どんだけ忙しくても、必ず30案。なんなら+5ぐらいは持ってこようね、って話をずっとしていました。

その上で、二人でプレゼンする場を作ること。
「このアイデアは一言で表すとこうである」
「このアイデアの面白いポイントはここである」
という部分を徹底的に詰めていきました。デザインやどう実行するかはもっと後の話。まずは一言で面白いアイデアかどうかを突き詰めます。

そしてこれは時代に逆行するのでなんとも言えない話ですが
アイデア、クリエイティブ、デザイン、と呼ばれるものに共通することで
最後まで頑張った人が一番強い、というスポーツのような側面があります。
なので時間を掛けてアイデアを考えましょう。ただべらぼうに考えてもだめなのですが、寝ても覚めても考えることがとても大事だなと思います。
泥臭さはクリエイティブの源泉です。
その瞬間だけではなく、頑張った時間は自分たちの血肉になっていきます。

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毎回アイデアを出した後二人で色々確認している様子。
僕たちは割と喧嘩になる事が多い。


②言葉は整理のために。

コピーライターって短い文章をバチッと決める仕事でもありつつ
こういうコンペ、またはアイデア発想の場では言葉をバシッと決める必要が出てきます。それは論点を整理したりアイデアの見せ方を既定する言葉を決めていくんですが、僕たちのチームは本当によく議論になりました。

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今回のアイデアはすごく簡単に言うと
賞味期限の下に絶滅期限を書く、になるのですが
これを
絶滅期限を明記することで
・口頭やテレビで言われるより数字を見せられることで危機感が出る。
・サスティナブルに興味があるユーザに対して
 行動するきっかけを与えることが出来る。

・賞味期限が書いてあるすべての枠がメディアとして活用できる。
のようにアイデアを整理して、
強みをちゃんと表現することが重要になっていきます。
実際にスライドの言葉1つで相棒と15分ほど喧嘩したり…
でもこだわったりぶつかったりすることは
何よりも大切だなと今回痛感しました。
これもアイデアに限った話ではなくて、デザインの現場でも自分のデザインが注力したポイントだったりを説明するときにもとっても重要です。
自分の考えたアイデア、ちゃんと言葉が整理されていますか???


③徹底的に分析・勉強をする。

これもひと悶着ありました。むしろ延々と喧嘩してますね、ずっと。笑
アイデアは出すより選ぶほうが難しい、というのは結構真理に近くて
好みとか、勝てるとアイデアとか、色々変数があって大変。
そこで僕たちのチームは主に3つのことをしました。

◎過去の受賞作を徹底的に見る。

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これはとってもシンプル。
僕と村上は過去の受賞作が公開されたタイミングで必ず見返しています。
どういう構成だったか、どういうアイデアだったのかを2人で話して
必ず次に活かす。その繰り返しを怠りませんでした。
WEBにもたくさん事例があります。

◎過去の広告アイデアを徹底的に分解する。

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これはYoung部門に限りません。
毎年カンヌが発表されたときにsilver以上の作品はすべてチェックしました。
その上でそのアイデアの法則を書き出し、共有。
アイデアを選ぶときに重要な指標になっていたと思います。

◎その上で、情緒的なベネフィットがあるものはどれか?

今回のお題に答えているアイデアの中で、
「一番人が動きそうなものはどれか?」
という部分を最後まで検討しました。
今回の場合でいうと

魚の絶滅はその魚を使った商品の絶滅を意味する。

がそれにあたります。
魚が絶滅してしまう、という自分ゴトになりにくいことを
いかに当事者意識を持ってもらうか、を大事にして
負を違う視点から見直しているかどうかも
アイデアの選択の基準になりました。
そしてこのやり方は、今のプロダクトデザインの工程でも続けています。


④質問を考えてみる。

これはコンペにおけるテクニックでもありつつ、スライドやアイデアを昇華する上でもとても重要です。

まずは質問を想像すること
なんて聞かれるか?どう答えるか?それを繰り返すだけど自分たちの考えてるアイデアの弱さと強さ、穴があるところ、突っ込みたくなるところをしっかり考えます。

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質疑応答は英語日本語合わせて10000文字以上。
考えては消して、考えては消して…

プレゼンの練習も何度も行いました。
プレゼンは村上くんが頑張ってくれたのですが、おそらく30回以上練習しました。(発音について厳しく言ってごめんね)

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一呼吸置くところ、強調するところ、イントネーションを徹底的に。
英語がきれいなだけで印象も変わる(はず)です。

⑤よく遊んでよく飲んで。

さて、テクニック的なことは色々お伝えできるのですが、全部書いてるとキリが無くなっちゃうので、今回一番大事だなと思ったことをお伝えしたいなと思います。
それは、相棒(チーム)の人とたくさん遊ぶことです。

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ありとあらゆるコンペに挑戦し、敗退してきました。
これはNYに2人で行ったときに電車間違えたときです。
楽しかったね。


今回のコンペはオールリモートで完結したのですが

・言いたいことが言えること
・気を使って譲る、ということがなかったこと
・多少ぶつかっても飲むときのネタになるからいいや、と思えること

は結構大きかったんじゃないかと思います。
議論を遠慮しないために必要なのはとにかく仲良くなること。
信頼することだと思っています。
コロナで大変な時期だったからこそオンラインでも顔を出して
終わったら何飲みに行こうか?とか。
そういう話をしてがんばれたんだなと思います。
信頼無くしていい仕事なし。
信頼がないと継続して物事が前に進められないのもあります。
4年の継続が生んだ勝利なのは間違いなくて、その4年間でどれだけ互いのことを知れたかが大きな差になってくることもあるんだと思います。
ビジネスパートナーじゃなくて、ベストフレンドに。
喧嘩してなんぼ。


最後は全然関係ないじゃん!と思ったかもしれませんが、
もしかしたらこれが一番大事かも?とまで思いました。
チームの偉い人、これからコンペに挑む人、すべての人に今おすすめのは
カメラをオンにしてみんなとのコミュニケーションを円滑にすること
だと思ったりもします。顔見えるって大事ですよ!

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顔見せ打ち合わせの光景。僕の顔が暗すぎるのは置いといてください。


その結果がGoldだったのだ

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プレゼン後のメッセージ。このスクショ一生大事に持っておく予定です。

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インタビューを受けているとき。本番のプレゼンでも使ったのですが
彼が1時間で作ったお寿司のARは審査員の心をつかんだ。
人を喜ばすテクノロジストとして彼の右に出るものはいない。

その結果僕たちはGoldを手に入れる事ができたわけです。
僕が彼の良さを切々と説いている記事になってしまったわけですが
ちょっとだけ個人的な話も出来たらなと思います。

なぜリクルートに来たのか?

広告業界からぬるっとやってきた私ですが、
リクルートに来たのにはいくつか理由があります。
まずは、年収以上にレバレッジをかけてくれる会社であるということ。
突然UXにやりたい!と言ってもやっちゃえばー?ぐらいのテンションで受け入れてくれる会社であるということ。
他にもコンサルや別の会社も見てみたのですが、自分の頑張りたさ、前のめり具合(!)も合致していたのがリクルートだったのだと思います。
そして何より、広告時代から大事にしている

Rules are what the artist breaks; the memorable never emerged from a formula.--William Bernbach
ルールとはアーティストが破るものです。
方程式から編み出したもので、記憶に残るものはありません。

という言葉が最後の決め手になりました。
Air ビジネスツールズはリクルートの中でも異色の歴史を持っています。
成長し続けてるリクルートの中にあって、今までのルールを塗り替えている
Air ビジネスツールズはUXが間違いなくキーになります
それって超面白そうじゃない?
記憶に残るUX、プロダクトって考えるだけで血が滾る

まだ入って半年も経っていませんが、
僕から見たリクルートはとても面白い会社だと思います。
是非これからもAir ビジネスツールズのUXを見ていただけると嬉しいです。

プロダクトデザイン室では、一緒に働く仲間を募集しています。