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ホットペッパーグルメのPdMが実践している3つのこと

はじめまして、今井隆文といいます。HCI(ヒューマンコンピュータインタラクション)の研究を行っていた大学時代を経て、2018年に新卒でリクルートに入社し、今年で社会人歴(=リクルート歴)4年目になります。入社以来一貫してプロダクトマネージャー(以下「PdM」という)としてプロダクト改善/企画を担っています。ホットペッパーグルメには、2020年10月に着任して、約1年が経ちました。

ホットペッパーグルメとは?

ホットペッパーグルメは、国内最大級の「グルメ情報総合サイト」です。2000年に「日本の街を元気に」をコンセプトに発行されたクーポンマガジン「HOT PEPPER」に起源があります。
ホットペッパーグルメは、我々のような消費者に対しては「ネットでかんたんにお店を探せて、見つけたお店にネット予約出来る」という価値を、飲食店に対しては「お店の情報や魅力を掲載することによって、集客を強化できて、ネット予約を受け付けることが出来る」という価値を提供しています。また、飲食店向けにホットペッパーグルメの予約管理が出来るレストランボードというツールも提供しています。

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本記事を通して、お伝えしたいこと

リクルート/ホットペッパーグルメのPdMとして働く自分が常に意識していることのうち、3つのことをお伝えできればと思います。

本記事で扱う業務

ホットペッパーグルメのプロダクト改善には、主に開発規模によって2つの方法が存在します。小規模の開発案件を何度も繰り返しPDCAを回すことで、ユーザにとって使いやすいサイトへと改善していく方法と、大規模な開発投資を行い、新機能を追加したり、新商品開発を行うような方法です。本記事では前者の「小規模開発を何度も繰り返す方法」を例にとり、自分がホットペッパーグルメに着任後にPdMとして実践した3つのことをお伝えします。どれも、自分が実践しているということであって、あくまでも私はこう考え、実践しているという事例として受け取っていただければと思います。

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1つ目:対象と優先度を決めること

私は、PdMとして最も意識すべきことは「決める」ことだと考えています。多くの場合、プロダクト改善ではやりたいことが沢山あります。ただし、それら全てを行うのは果てしなく、かつ、闇雲に行っていては本来目指すべき状態への最短ルートを取ることが出来ません。

そんな時に重要なのが「何をどの順番で取り組んでいくのか」を決めることです。「これが課題だと思うので、これをやります!」と言っても、それがどのくらい重要な課題で、他のどの案件よりも先にやるべきことなのか?がわかりません。

私は、1年前に着任してすぐにとにかく沢山ホットペッパーグルメを触っている中で、いくつかのUX課題を感じましたが、すぐにそれらをやるのではなく、どの課題から取り組むのかを決めることからはじめました。その時にとった方法は「① ユーザ行動から重要な対象ページを定義 → ② 改善時のリターン規模で優先度付け → ③ 具体的な案件リスト(バックログ)に落とし込む」という3段階です。

目の前に課題が見つかるとどうしてもすぐにそれに目が向いてしまいます。その課題を改善することも確かに重要ですが、PdMは「何を対象に何からやるのか」を決めなければ、プロダクトが最短であるべき姿になることは出来ないと考えています。

2つ目:最終的なイメージを妄想すること

1つ目で決めた「対象と優先度」に則って改善していくことで、最終的にどんなプロダクトになっていくのか?をイメージすることもPdMが意識すべきことの1つだと考えています。

以下に私が当時作っていた妄想の一部を載せてみました(機能にまつわる部分は、検討中のものもあるため、割愛しています)。もちろん、妄想ですので、ここでどんだけ妄想を広げても、全ては実現出来ないかも知れません。ただ重要なのは「最終的にどういうものを目指していきたいのか」をイメージすることです。やることをやった結果、プロダクトはどうなるのか?という指針が必要だと考えています。

このとき、卓越したデザインスキルやツールスキルは必要では無いと思います。ノートとペンでも、ホワイトボードを使っても、ありものの画像を組み合わせてもいいと思います。それよりも私にとって重要なのは、「私自身がイメージを膨らませる」ということです。もちろん協力してくれるデザイナーを探すというのも1つの手段ですが、私の場合は、自分で妄想する時間を大事にしています。理由は楽しいからです。笑

日々多くの数字と向き合って、いろいろな試算を必要とするからこそ、ユーザに向き合ってプロダクトに思いを馳せる時間は自分にとってはとても有意義な時間だと思っています。

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3つ目:プロセスを整える

1つ目・2つ目で作った「計画」も「妄想」も、「実行」がなければ形になりません。PdMの大きな仕事の1つに「実行プロセスを設計する」というのがあると考えています。プロダクト改善は決して1人(1人の担う役割)では為しえません。企画・デザイナー・開発・テストなど1つの案件が世の中に出るだけでも多くの役割の関係者が必要になります。そのプロセス全体を設計していくのがPdMです。私は着任以来そのプロセスの整備を積極的に行っています。

具体的には、以下のようなものがあります。(抜粋)

① 各役割の定義と、必要な役割のメンバーのアサイン(例としてデザインディレクターのアサインを行ったときの資料を添付しています)
② コミュニケーションを行う会議体の整備(チーム内/チーム外のコミュニケーションの場の設計)
③ デザインレビュー/納品を行うためのConfluence(クラウドドキュメント管理ツール)のフォーマット作成
④ 案件推進を効率よく行うための案件フローの具体化
⑤ デザイナーが抱えている案件の可視化

どれも、世の中にリリースされる案件とは直接的に結びつきませんが、これらのような下地が存在することが、最終的な案件の精度向上に繋がると考えています。

また、これらのプロセスは一度で完璧に作ることは出来ないという意識を忘れずに、日々改善していくことにしています。開発チームとは個別に開発課題やフローへの課題を吸収したり、新規参画者が感じた疑問をヒアリングして調整したりしています。実際に、数ヶ月でリリースした会議体もありますし、案件管理の方法もツールの変更など含めアップデートしています。

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最後に

PdMの役割は多岐に渡ると思います。プロダクトを改善するために必要なことのほとんどがその範疇に入ると思っています。大変なところもありますし、自分も日々学ぶことの方が多いですが、だからこそあらゆることを考えることが出来て楽しいと思っています。未熟者の自分でもこういう動き方をさせてもらえるのが、リクルートのプロダクトデザイン室の魅力の1つだと思っています。

この記事を読んだ方が、少しでもリクルートのPdMに興味を持っていただけていれば幸いです。

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