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ITコンサルからPdMに転身してどうなった? リクルート中途入社メンバーのリアルな声


リクルートのプロダクトデザイン室には、さまざまな業界・職種からの転職組も数多く在籍しています。なかでも、最近増えているのがITコンサルタントやSIerのSEなどからPdMに転身するケース。コンサルティングファームから転職し、現在は『リクルートダイレクトスカウト』のPdMとして働く川本竜也もその一人です。
「受注のシステム開発」と「自社プロダクトの開発」という違いはありますが、仕事のプロセス自体に大きな差はなく、これまでのスキルや経験が活かせる部分も多かったと川本は言います。それでいて、前職では得られなかった刺激や成長の機会もあるのだとか。
川本が感じたITコンサルタントとPdMの共通点や違い、転身後の自身の変化について聞きました。


【PROFILE】川本竜也(プロダクト統括本部 プロダクトデザイン・マーケティング統括部 プロダクトデザイン室 HR領域プロダクトデザインユニット Placementプロダクトデザイン部 Placementクライアントソリューション1グループ)


さらなる成長を求めて「ITコンサルタント→PdM」に転身

――川本さんは前職でITコンサルタントとして5年間勤め、リクルートへの転職と同時にPdMに転身しました。これまでのキャリアについて、簡単に教えてください。

川本:2018年に新卒でコンサルティングファームに入り、ITコンサルタントとしてキャリアをスタートしました。主な参加プロジェクトは総合商社の物流システムや、空調機器メーカーの基幹システムの設計・運用です。具体的な仕事の流れは、はじめに現状の課題を探り、複数の課題の優先順位や打ち手を整理します。その後、現場で業務にあたる方々と会話しながら要件定義を行い、システムにどう落とし込むかITベンダーさんと一緒に決定していくというものです。

そこで5年働いて、2023年2月にリクルートへ転職しました。入社後は『リクルートダイレクトスカウト』のリニューアルに向けた業務設計に携わり、現在も求人管理周りの機能改善などのエンハンスを担当しています。

――リクルートに転職した最も大きな理由は何だったのでしょうか?

川本:コンサルタントの仕事に大きな不満はありませんでしたが、「自分で意思決定できない」というところに少し物足りなさを感じていました。たとえば、いったん「この方向で進めましょう」と合意したはずのことが、クライアント側の判断でいつの間にか変わってしまったりするんです。また、こちらの提案の仕方も「クライアントの偉い人がこういう考え方だから、その意向に沿った案を出そう」という思考になりがちで。僕だけではなく、会社全体としてそんな考え方が染み付いていましたね。もっと主体的に仕事がしたい、課題に対してより良い方向性を自分で定め、それをストレートに周りに伝えられる環境で働きたいと思ったのが転職の動機です。

リクルートを選んだ理由はいくつかあります。まず、クライアントワークではなく自社プロダクトを手掛けていること。次に、大手でありながらベンチャー気質があり、業務によっては、若手であっても大きく裁量を持たせてもらえること。そして最大の理由は、事業会社であるリクルートで「自ら意思決定をする」という未知の働き方を経験することが、自分の成長につながると考えたことです。


――転職と同時に、ITコンサルタントからPdMに職種も変わりました。PdMの仕事については、どう捉えていましたか?

川本:職種は違いますが、仕事の内容はITコンサルタントと重なる部分もありイメージしやすかったです。また、前職でコンサルタントとしてベンダー側に入っていたのですが、そこで一緒に働いていた企画職の方の仕事に近いのがPdMの役割なんだろうなと想像していました。

ただ、実際にやってみると、やはり前職とのギャップはありましたね。特に、さまざまな数字を見ながら課題を特定していくプロセスは、事業会社のPdMならではだと感じました。「今はここの数字が伸びておらず、こんな課題があるから、こういう施策を打っていこう」というところまで深く突き詰めて考える必要があって、そこは「社内の業務工数をいかに下げるか」という視点が求められる基幹システムとはまるで違うなと。

――これまでとは大きく考え方を変える必要があったと。

川本:はい。ただ、それは楽しい変化でもありましたね。前職では講じた施策に対して効果が出たかどうかを評価するフローがなく、リリースしたら「さあ、次の案件」という形でどんどん仕事が流れていってしまうところがありました。その点、今は分かりやすい数字の指標があり、自分が想定した課題や打ち手に対する結果について、しっかり検証・分析できる点が面白いと感じます。

それからもう一つ、今のほうが結果を出すまでのプロセスも濃密です。前職の基幹システムの場合は、ヒアリングをするにしても対象が「現場で使っている人」だけに限定されていました。でも、今はクライアントやユーザー、さらにはその分野の知見がある人にヒアリングをしたり、自分でもかなり深いところまで調査をします。そのぶん、しっかりロジックを組み立てたうえで課題を特定したり、施策を考えたりできるんです。

――そのほうが施策の確度も高まりますし、自分としても納得感が持てますよね。

川本:そうですね。もちろん、時には自信のある施策に対して上司からダメ出しをされたり、再考を求められたりすることもありますが、そうした場合も納得できるフィードバックが多いです。それはおそらく、リクルートの一人ひとりに目的思考が根付いていて「それで本当に結果が出るの?」という視点で物事を追求しているからだと思います。


前職で培ったスキルがPdMとしての武器に

――改めて、ITコンサルタントとPdMの仕事内容の違いを教えてください。

川本:すごくざっくり言うと、ITコンサルタントは「特定のクライアント」のためにやる仕事。一方、社会で広く使われるプロダクトをつくるPdMは「世の中に対して」価値を打ち出していく仕事。その視点がまったく違うと思います。また、ITコンサルタントはクライアントから要件を聞いて課題を整理するのに対し、PdMは自分から要件を出す側という違いもありますね。

ただ、仕事のプロセス自体に大きな差はなくて、前職で培ったスキルや経験が活かせている部分も多いと感じます。

――具体的に、どういった部分が活きていますか?

川本:スキルでいうと、最も大きいのは作業管理の部分だと思います。前職で携わっていた基幹システムは、仮にリリースが遅れた場合、社内の全ての業務に支障が出てしまいます。そのため、スケジュールはかなりシビアに設定されていましたし、メンバーの納期に対するコミットもすごく強かった。私自身も自分の作業の管理や、全体の進捗を強く意識していました。この、コンサルで培ったプロジェクト管理、作業管理のスキルと経験は自分の強みとして活かせると思っています。

また、課題に対して複数の施策案がある時に、「今どれをやるべきか」を選択するのもPdMの大事な役割です。その際は、コストや納期、品質など、特に何を優先して判断するかの感覚がとても重要になりますが、これもコンサルタント時代に何度も経験していて、前職での経験が糧になっていると思います。


――では、逆に前職でのやり方や考え方が通用せず、変えたところはありますか?

川本:転職直後は仕事を丁寧にやりすぎて、プロジェクトのスピードを落としてしまうことがありました。というのも、前職はある意味すごく「きっちり」していて、ひとつの施策案を考える際も丁寧に詰めて、100%と言える状態にまで仕上げないと上司やクライアントに見せることができなくて。ですから毎回、自分のなかで完璧だと納得できるものにして、想定問答まで念入りに作り上げていました。

でも、リクルートでは30%や50%の段階でもいったん上司に見せてフィードバックをもらうのが当たり前で、上司や周囲のメンバーの意見を取り入れながら徐々に100%にしていくという、これまでとは全く異なるアプローチが求められました。もちろん、クライアントワークと自社サービスの違いもあるためどちらが正解とは言えませんが、当初は新しいやり方に慣れるまで苦労しましたね。

――新卒から5年いた会社のやり方が染み付いていると、すぐに切り替えるのは難しいですよね。

川本:特にエンハンスの案件に関してはほぼ経験がなく、スピード感を持ってどんどん改善を進めてすぐにリリースするみたいなやり方に少し戸惑いました。それでも毎週のように進捗共有の場があったので、それまでにとりあえず30%の状態にまでは持っていこうと意識していましたね。最初は未完成のものを提出するような不安や気持ち悪さがありましたが、30%の段階でも、的確なフィードバックをもらいながら進めていくほうが結果的に良いものが早くできると気づきました。

リクルートの場合は特に、自分一人ではなくチームで仕事をする文化が根付いています。また、メンバー全員に「みんなでこの数字を伸ばしていこう」という目標が共有されている。みんなが常に同じ方向を向いているので、迷った時にすぐ相談できるんです。力を合わせて良いもの、新しいものをつくっていく楽しさは、ここに来てから初めて味わえたと思います。


「社会に向けて」仕事をしている実感が持てるようになった


――リクルートに転職した最大の理由は「自分の成長につながるから」と言うことでしたが、転職から1年半が経ち、どんなところに成長を感じますか?

川本:最も伸びたのは「分析」のスキルだと思います。それまでは自分でSQLを叩き、数字を見ながら分析するということを全くやってこなかったのですが、今は数字を参照し、どこに課題があるかを特定したうえでどんな施策を打てば数字が伸びるか思考しています。数字を伸ばすことが評価に直結するというのも分かりやすいですし、そこは意識が大きく変わった部分ですね。

また、これは成長とは違いますが、自分の視野が広がった感覚もあります。それまでは特定のクライアントの方だけを見て仕事をしていましたが、今は『リクルートダイレクトスカウト』という転職者に向けたサービスをつくっていることもあり、広く世の中を見るようになりました。社外の人、たとえば大学時代の友人などと話していても「自分も使ってるよ」と言ってもらえることが多いですし、時には「ここの部分、ちょっと使いにくいんだよね」と、業務に関係ない場面で思わぬフィードバックをもらえることもある。前職では全くなかった経験で新鮮ですし、今のほうがより社会に対して仕事をしている感覚が大きいですね。

――ITコンサルタントからPdMへの転職は大きな決断だったと思いますが、川本さんにとっては正解だったといえそうですね。

川本:そうですね。先ほども話したように、これまでのスキルや経験も決して無駄になっていませんし、さらに成長を実感しながら新しい挑戦ができるのは、とても幸せなことだと思います。それに、仮にまたITコンサルに戻りたくなったとしても、ここで経験したことは必ず活きてくるはず。そういう意味でも、思い切って転身してよかったですね。



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