同じ業種からの転職。使う筋肉が全然違って日々奮闘中
杉谷 麻紀子。リクルートのSaaS領域 が運営する「Air ビジネスツールズ」において、カスタマーサポートを担当。飲食店向けサービスである『Airレジ オーダー』 のヘルプデスクの品質対応向上や問い合わせの削減をメイン業務とする。趣味は筋トレ。なんと60kgのバーベルを持ち上げられるとのこと。 前職ではSaaS系ベンチャー企業でカスタマーサクセス 業務に従事し、この仕事をより深めていきたいとリクルートへ。同じ業種からの転職だったが、前職とは“使う筋肉”が違うと驚いたそう。そんな彼女にリクルートを選んだ理由と今の気持ちを聞いた。
ベンチャー企業で一通りの業務を経験。
「論理的思考」を鍛えたいと応募
――どのような経緯で転職を?
前職は、SaaS系ベンチャー企業で 法人向けのカスタマーサクセス(以降、CS)に従事していました。
定常業務としてサービス導入支援(オンボーディング)を担当しながら、新サービス企画 ~運用構築~営業までを一貫して割と自由にやらせていただいていたと思います。CS組織立ち上げフェーズだったこともあり、カスタマージャーニーマップやプレイブック、顧客対応時のトークスクリプト作成や既存サービス改善など、広く浅くではあるものの一般的なCS業務は一通り経験しました。
社内事情もあり基本的にシステム開発無し のサービス改善・新規構築 がほとんどだったこと、また、もう少し規模の大きいサービスでCSを学んでみたいという思いを持ち始めていた頃、同職種でスカウトをいただいたことが転職のきっかけでした。
前職がベンチャー企業で、良くも悪くも企画立案から実行までを勢いで進められる環境だったため、論理を持って一つずつレイヤーを上げながらレビューを行い、承認プロセスを踏むという経験から離れてしまっていることに危機感を感じていました。そんなタイミングにちょうどリクルートに在籍する先輩とお話をする機会があり、ロジックを深堀する機会 が多いという話を受け、ストレッチをかけるにはいい環境だと感じて応募を決めたんです。
カジュアル面談含め6~7回面接していただいたのですが、その過程で感じたのは、これまでのキャリアの詳細はもちろん、どの方も、どういう考えでなぜそのアクションを取ったのか?という観点で 深堀りしてくるということでした。意思を持って仕事に向かっているかというスタンス面と、打ち手ありきではなく戦略性や計画性をもって取り組んでいるかの両方を確認されているように感じました(笑)
核心を突くような質問とは裏腹に、面接の雰囲気自体はとてもフランクで会話しやすく、シンプルにこの方達と仕事ができたら面白そうと思える時間を過ごすことが出来ました。
募集されていた「ヘルプデスク担当」の業務は、現場での仕事よりも、問い合わせ応対のパートナー(委託先)の統括や既存業務のオペレーション改善がメインである事など、当時前職で担当していた業務とは少し乖離がありそう と思う部分もありました。ですが、面接の早い段階でその部分もオープンに説明いただいていたのと、ゆくゆくは顧客体験向上のためのプロジェクトや施策などの検討も進めていきたいという中期的方針も聞けていたため、入社後、大きなギャップを感じるということはありませんでした。
「自分が手を動かす」前職と、使う筋肉がまるで違う!
――入社後、日々どんなお仕事をされていますか。
『Airレジ オーダー』 という飲食店向けサービスのヘルプデスク(問い合わせコールセンター)のパートナー マネジメントがメインミッションです。
これまでは自分が手を動かす立場だったのが、他の方 に動いていただく立場となり、使う筋肉がまるで違う ので日々奮闘中です……笑。
・共通言語で話せているか(社内用語を多用していないか)
・背景/経緯の説明は足りているか
・理解ではなく納得してもらえているか
など観点としてはイメージしやすい部分だと思うのですが、これらを一つずつ丁寧に実施していくには時間も忍耐も必要です。また、分からないことを分からないと言い出せず、認識が揃っていない状態で進行することのないよう、コミュニケーションの取りやすい環境作りもミッションの一つだと感じています。
定常業務としては、問い合わせ応答状況(応答率や応答までの待機時間など)の確認や、顧客対応の録音データをモニタリングし、改善点などをパートナー へフィードバック。応対品質向上のための社内FAQ整備などを行っています。
その他、トラブル発生時は関係各所との調整および方針判断も行います。委託先からのエスカレーション情報を整理し、社内の営業担当・オンボーディング担当・プロダクトの仕様設計担当(ディレクター)などと連携を図ります。スピードと慎重さの両方を求められるシチュエーションも多いです。
また、新機能やサービス内容についての委託先へのインプットも行います。内容と工数を考慮し、インプット先(管理者のみ対象 or 全コミュニケーター対象)やインプット方法(テキストベ―スでの共有 or オンライン研修実施) の判断も必要。
事象の大小はあれど、判断することが多いポジションだと思います。そのためには、業務知識はもちろん、関係各所の状況や事業方針のインプット・ アップデートが不可欠です。
定常業務とは別で、「Air ビジネスツールズ」Airプロダクト 利用前後の顧客体験品質向上をテーマとした横断プロジェクトもカスタマーサポート部全員で推進しています。
上位思想としてあるのは、「Air ビジネスツールズ」 のバリューとして掲げている「シンプル・カンタン・スマート」に沿ったアタリマエ品質の追求です。ヘルプデスクにおいては、プロダクトを跨がる顧客のたらい回し軽減 や顧客ニーズに合わせた稼働体制の見直しなどを行っています。
受けた問い合わせベースで打ち手を検討するのではなく、上位にある顧客体験思想に基づいてどうあるべきかを考え、能動的に改善を図っていくこのプロジェクトはまさにCSの動き方に近く 、難易度は上がりますが、やりがいや手ごたえがありますね。
本音の面接で入社後のギャップはなし。最適解を出せるように日々奮闘中
――実際に入社してみて感じたことは?
前述の通り、面接で業務内容の詳細 まですり合わせを行っていたので大きなギャップはありませんでした 。
こちらも繰り返しになりますが、ヘルプデスク業務そのものは委託先で行ってもらい自分が手を動かせるわけではないので、指示内容をスムーズに理解してもらえるための工夫や気持ちよく動いてもらえるための伝え方は、常に思考し続ける必要があると日々感じます。
また、調整業務は想像より多かったかもしれません。関係各所にそれぞれの事情や背景があるので、それを適切に汲み取り、最適解を考える場面が多いですね。正解はないので、最適解を探る必要があるのですが、そのためには前提知識や各所の状況を正しく把握しておく必要があり、大変です(笑) 私もまだ試行錯誤中です。
――最後に、この職場におすすめな人は?
・整備されていない環境の中でも前向きに楽しみながら取り組める人
社員向け・パートナー企業向け業務マニュアルやフロー図等が完全には整備されておらず 、まだ仕組み化前 だと思います。課題抽出から一緒に取り組める方がいたら嬉しいです。
・論理的思考力を鍛えたい人
└それはなぜ?等ロジックを細かく問われます。社会人として必要なスキルであることは間違いないのでいい環境だと思います。(私は論理トレーニングをしています。笑)
・顧客(サービス利用者)にとっての理想を考え、追求したい人
└こうしたい、こうあったらいいのにという理想は持っていても、それを実現するための時間とコストのリソースがないというのはよくある話だと思いますが、それを捻出しようという考えを持っている組織だと思います。