大人数参加のWEB会議をクオリティアップ!お手軽音響・撮影機材選びのコツと構成例
※この記事は リクルート プロダクトデザイン室 アドベントカレンダー 2022 2日目の記事です。
こんにちは。今年4月にプロダクトグロースコースでリクルートに新卒入社した、小野寺と申します。今は『Airペイ』のプロダクトマネージャーを担当しています。
さて、本日は「大人数参加のWEB会議をクオリティアップ!お手軽音響・撮影機材選びのコツと構成例」と題打ってお話をさせていただきます。
リモートでの業務がメインとなっているリクルートでは、ミーティングの際にもTeamsやZoomを活用する機会がほとんど。それはグループやユニット単位での全体会といった、数十人〜数百人規模の大人数ミーティングも例外ではありません。
そんな中、先日自組織で開催されたオンラインのキックオフミーティングで、司会進行・運営をする機会がありました。
その中で使用したのが、下記の画像のような各種音響・撮影機材でした。
当初は、通常業務で使っているMacbookの標準マイクとカメラで進行しようと思っていたのですが、学生時代にイベントの運営や撮影配信をやっていた血がつい騒いでしまいまして……。
せっかく司会進行を任せていただくからと、いくつか自宅に眠っていた機材を持ち込んでみたところ、なんとこれが意外や意外、社内から好評価をいただくことに。
ということで、これは私の中だけで完結させてはもったいない!と思い、今回この場をお借りして、使っていた機材の話をしてみようと思った次第です。
「そんなに本格的な機材はいらないけど、WebカメラとPC内蔵のマイクだけじゃ物足りない……」なんて考えていらっしゃる方、ぜひご参考ください!
機材の選定基準
さて、私がどんな機材を利用しているのか……をお伝えする前に、まずはどういった点に留意して機材を選んだのか?を簡単に解説します。
なお、本記事ではそこまで凝ったことはしない前提で、あくまで通常のミーティング運営で「必要プラスアルファな機能を満たすこと」を軸に機材選定をおこなっているので、この点ご留意ください。
また、私自身、会社に出社してWEB会議を実施する際にこういった機材を使うことも多いため、電車で持ち運びができる程度にはコンパクトにする点も心がけています。
音響機材の選び方
まずはじめに、マイクなどの音響機材についてお話しします。
ここについては、以下のようなポイントを最低限満たすことを目標として、使用する機材を選定しています。
自分の話し声をうまく拾ってくれる、かつ周りの音を必要以上に拾わないこと
マイクのオンオフと音量の調整が機材側からできること
複数のマイク・音源の音を混ぜられること
1つ目については、オンラインミーティングあるあるですよね。
PC内蔵マイクや品質の低いマイクを利用していると、周囲の雑音が入ってしまい、自分の声が聞き取りづらくなってしまうこともしばしばあるのではないでしょうか。
特に司会進行などで多く話す場合には、参加者へクリアに音が伝わるだけで、そのミーティングの満足度は格段にアップします。
こういった際のマイクを選ぶ基準として、単一指向性マイク(≒1方向からしか音を拾わない構造のマイク)を選ぶということは念頭に置いておくといいでしょう。
(PC内蔵のマイクには無指向性と呼ばれる、あらゆる方向の音を拾ってしまうものが多いです)
また、機材側のスイッチなどを用いてマイクのオンオフや音量調整ができるのも、特に司会進行の際にはとても大事です。
他の参加者が話している際はマイクをオフ、そうではない際にはオンにするなどの切り替え
を、ミーティングの間に何度もおこなうことも多いからです。
その中で、都度TeamsやZoomなどのソフトから切り替えをおこなっていると、マイクの切り忘れ・入れ忘れにつながるため、あまり適切ではありません。
また、参加者が心地よく会へ参加できるためにも、細かい音量調整がマイク側からできることも大切です。
最後に、これは少しだけこだわりポイントとなりますが、複数のマイクや音源の音をミックスできることも個人的には重視しているところです。
これができるようになると、例えばミーティングの開始・終了時にBGMを流せる、2人以上での司会進行ができるようになる等、一気にやれることの幅が広がります。
撮影機材の選び方
次に、カメラなどの撮影機材についてです。
正直、音響機材ほど細かいことは考えずに選定してしまうことも多いのですが、こちらについても以下のように3つのポイントを満たせるよう、機材の選定をおこなっています。
HDMI出力ができる
三脚を使ってカメラを立てることができる
一定以上の画質が担保できる
これらを満たせる撮影機材という軸で考えると、市販しているビデオカメラもしくは一眼レフであれば、だいたいの場合は大丈夫ではないかな、と思います。
HDMI出力ができるというポイントについては、純粋にケーブルが長く取れる(USB接続の場合、ケーブルが短いことが多く配線しにくい)ことを目的としています。
この際、カメラからのHDMI出力信号はHDMIキャプチャーという機材を用いてUSBへ変換し、カメラとして認識されるようにPCへと入力します。
また、ここで最も大きなポイントは、2つ目の「三脚を使ってカメラを立てられる」という点です。
単なるミーティングの司会進行であれば、会の開催中にカメラを動かす必要はありません。逆に言えば、最初にカメラを置いた位置が見え方すべてを決定することとなります。
三脚を利用してカメラ位置を調整することで、PC内蔵カメラを利用した際のような「正面からカメラを覗き込む」画角にすることなく、自然な映像を視聴者へ届けられるようになるのです。
実際に利用している構成
こういった要点を踏まえ、私が大人数ミーティングの配信時に利用した構成を一例としてご紹介します。
利用した音響機材
ここでは、BGMを流すためのiPhoneと声を入れるためのマイクを、それぞれオーディオミキサーと呼ばれる「音を混ぜるための機材」に接続し、混ぜた音をMacbook Airへ入力しています。
マイク側のスイッチで声のオンオフ、ならびにオーディオミキサーで音量調整が可能なため、これらを組み合わせることでTeams側の設定やボタンをいじることなく会の進行が可能となります。
なお、ここで利用しているYAMAHA製のAG06は、こういった配信系に特化して必要最低限の機能を搭載している優れもののオーディオミキサーです。
今は後継機種のAG06mk2が出ていますので、こちらが代替品になるでしょうか。
その他、マイクには定番のSHURE製SM58を使用し、Amazonで購入した10mくらいのXLRケーブルでオーディオミキサーと接続しています。
普段あまり音響や楽器などに馴染みのない方にとって、XLRケーブルというもの自体初耳かもしれません。
これに関しては、マイクを接続するための専用のケーブルと思っていただいて差し支えないと思います。
利用した撮影機材
先述したHDMIキャプチャを利用して、ビデオカメラで撮影した映像をMacbook Airへ入力しています。他にも当日撮影する場所に応じて、照明の調整や外部ソフトウェアによる明るさの調整などをおこないます。
私は普段、OBSという配信用のソフトウェアを利用して映像の調整をかけることが多いですが、使用するカメラやHDMIキャプチャによっては明るさ・コントラストなどを設定できる場合もあります。ご利用される機器に応じて、方法を検討してください。
またこのとき、Teamsの画面を別ディスプレイに表示し、その近くに三脚でビデオカメラを設置することで、視線がぶれないように工夫しています。
その他、資料の投影などをおこなう際にもこのディスプレイを利用すると、やはり目線が泳がないため見栄えよく進行ができると思います。
なおこちらの構成図では、ビデオカメラとしてJVC製のGZ-RX600を使用しています。
が、先述した通りHDMI出力ができるカメラであれば何でも大丈夫です。
その他に利用したもの
他にも、例えばMacbook AirにUSBポートを増やすためのハブや、各種ケーブル、マイクスタンド、電源、当日のスケジュールを印刷しておいたものなどが必要です。
こういった細々したものについては、環境や会の進行に応じて大きく異なってきます。
一度手元でリハーサルをおこなった上で、他に足りないものがないかを確認しておくと良いでしょう。
また、よく忘れがちですが、ケーブルをまとめたり固定しておいたりするためのマスキングテープは必須で用意しておくべきです。
さもないと、せっかく機材の準備をしたにもかかわらず、ケーブルに足を引っ掛けたりして悲惨なことになります……。
おわりに
以上、私が普段よく使っている音響・撮影機材の構成についてお話ししました。
ここでご紹介している機材をまとめると、大きめのトートバック1つにちょうどすっぽり収まるようなサイズ感です。ということで自宅での利用に留まらず、いろいろなところへ持ち運べる一式セットにもなるので、ぜひご検討をば。
余談ですが、リクルート社内には通称「スタジオ」と呼ばれる、各種配信機材が置いてある部屋があったりします。
ですが、残念なことにまだ私は使ったことがなく……。来年のアドベントカレンダーではスタジオの使用レポとか書ければいいなとか思っていますが、またそれは別のお話。
それでは皆さん、良い機材ライフを!