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お店向けQRコード決済サービスのディレクターが目線合わせの大切さを学び成長した話

このnoteで書いていること

■ お店向けのQRコード決済サービス「Airペイ QR」においては、対応するブランドの数が重要な価値であり、それを増やしていくディレクターの役割は「ハブでありエンジン」だ
■ 多様な関係者と協働するなかで、ディレクターとして気づき学べたことは「目線合わせの大切さと難しさ」だった
■ リクルートは、ひたすらに考える機会と良質なフィードバックを与えてくれるため、私にとって最上の成長環境だった

自己紹介

はじめまして!リクルートの野村という者です。決済プロダクトデザイングループに所属しております。社会人歴は4年目で、リクルートには2019年10月に中途入社して2021年4月で1年半を迎えました。

入社から一貫して、キャッシュレス決済、とりわけQRコード決済をお店に導入するSaaSプロダクト「Airペイ QR」のディレクターをやっています。具体的な業務は、プロダクトに新たな機能を開発したり、サービスをより良くするためにシステムや運用を改善したりする際のプロジェクトマネージャーです。

このnoteはこんな方々向けです

今回は、「Airペイ QR」ディレクターのなかでも花形案件(?)の、「QRコードブランド導入」を題材に、私が携わるお仕事と、そのなかで学べていること / 成長できたと思うことを、若手メンバーの目線から紹介します。ブランド導入案件は、半年ほどの時間をかけて社内外の関係者をまとめて動かし、プレスリリースとして発表するほどのにプロダクトの進化を生み出す案件です。

そのため、学生さんでデッカいことを動かす仕事をしてみたいと思っている方や、私と同じような若い世代で骨のあるプロジェクトを担えるディレクター職での転職、あるいはどこにいっても通用するような考える力を求めての転職を考えていらっしゃる方の参考になればうれしいです。

「Airペイ QR」がもたらす価値とは

本題の前に、まずは「Airペイ QR」とはどのようなものかを簡単にご紹介します。

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(画像:株式会社リクルート作成)

「Airペイ QR」を導入したお店では、世の中に数あるQRコード決済サービスの多くを、1台のiPadやiPhoneで決済することができるようになります。申込も各サービス(〇〇Pay)に対して個別に行う必要はなく一本化されており、取引金額の集計や入金も一括して行われるため、忙しいお店のオーナーさんも、余計な業務を増やすことなく、客層を拡げることができます。

そのため、「どれだけ多くのQRコード決済サービスを利用できるか?」というのが、サービスが提供する価値であり、市場競争力の点でもきわめて重要な指標になります。

この意味での価値を高めるため、私たちディレクターは、新たなサービスの導入に向けて、各種検討や起案など、時にプロジェクトの中心人物として華々しく、時に調整役として泥臭く、日夜プロジェクト推進に明け暮れています。

「〇〇Pay」が使えるようになるまでの物語

では、いよいよ「〇〇Pay」を新たに「Airペイ QR」に導入するにあたって、プロジェクトがどのように進行していて、私たちディレクターがどのように関わっているかをご紹介していきます!

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(引用:Airペイ公式サイト)

上の画像は、「Airペイ」のWebサイトです。赤枠で囲ったところがQRコード決済のブランドなのですが、このブランドを増やすことで、お店の集客力を高めていくということが、私たちのミッションの一つになっています。

新しいブランドが導入されるまでには、このようなプロセスがあります。

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(画像:株式会社リクルート作成)

つまり、

■ QRコード決済サービスの提供元と契約を締結する
■ 決済ゲートウェイ事業者を通して「Airペイ QR」アプリから「〇〇Pay」を利用できるようにプロダクト開発を行う
■ 利用したいお店の方が申し込めるように、Web上の申込ページの更新を行い、申込を受け付けた後の運用業務を設計する
■ お店に訪れるお客さんに、「〇〇Pay」を利用してもらえるようにアクセプタンスマーク(QR決済サービスのロゴが描かれたステッカーなど)を配布する

といった様々な準備をしなければなりません。そのため、発足から半年程度かかることが多いです。

ディレクターはハブでありエンジンだ

このプロセスのなかでディレクターが担っている役割は、

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(画像:株式会社リクルート作成)

■ 関係者間の目線合わせや会議ファシリテーション
■ QRコード決済サービス提供元とのサービスやシステムの仕様確認
■ システム開発にあたっての、要件定義からリリースまでの開発ディレクション
■ 運用業務の設計と業務担当部門への説明
■ 営業部門への決済サービスの特色の説明
■ Webページやアクセプタンスなど、制作物の要件定義と制作・配送までのディレクション

といったものです。社内のアライアンス担当から「次こういうブランドを入れようと思っていて」と話を受けると、まずはきちんとそれによって達成したいゴールを確認し、システムや運用業務においてどんなことが必要になるかの仮説をつくります。そして、決済サービス提供元などと仕様の確認をしつつ、社内の業務部門や開発部門に説明したうえで、必要な時間やコストを算出。スケジュールをざっと引くと同時に品質を担保するための要件をつくりこみます。それらをもってアライアンス担当と協力し、プロダクト責任者を含めた「計画進行」の社内合意を取り付け、実際の業務設計や開発の進捗を見つつ必要な調整を行いながら前に進めていき、リリースまでプロジェクトを進めていきます。

すなわち、社内外の様々な関係者の間に立ち、プロダクトの品質を高く保ちながら、プロジェクトが円滑に進むようにするという、ハブのようなエンジンのような働きをするのが、私たちのプロダクトにおけるディレクターだと思っています。プロダクトの品質を高く保ちながら、プロジェクトが円滑に進むようにするという、ハブのようなエンジンのような働きをするのが、私たちのプロダクトにおけるディレクターだと思っています。

社内外関係者との調整はいつも難しい

案件の中心という立ち位置の性質上、板挟みになることもありますし、ギアが全然噛み合わずエンスト(進行が止まる)しかけることもあります。特に「Airペイ QR」は、大手法人のクライアントにも小規模店舗(SMB)のクライアントにもご利用いただいているので、SMBのことばかりを考えて業務設計していたら、大手法人特有の個別対応に応じられない仕立てになり、大手営業担当がとても売りにくいものになってしまう、といったケースも発生します。

また社外に目を向けても、決済サービスでは、QRコード決済の提供元や決済ゲートウェイ事業者(各種決済サービスをシステム的に取りまとめている事業者)など関係者が多くなっています。そのため、異なるカルチャーや論理のもとで動いている関係者をもプロジェクトの要素として取り入れる必要があり、調整難度が高くなる傾向にあります。異なるカルチャーや論理のもとで動いている関係者をもプロジェクトの要素として取り入れる必要があり、調整難度が高くなる傾向にあります。

実際に、外部調整がうまくいかずスケジュールの遅延を招いたり、リリース直前でサービス要求が大きく変わり対応に追われたり、といったことも発生しました。

学んだのは、目線が合っていることの大切さ

入社以降の1年半で、2〜3の新しいQRコード決済ブランドの導入案件を担当させてもらってきました。どれも上で書いたような難しさにあふれるものばかりだったと思います。そのなかで周りの方々に助けられつつなんとかサービスインまでこぎつけるなか学べたことのうち、関係者が同じ方向を向いて走っていることの重要さというのが、一番大きいものだと思います。

今振り返れば、初めの頃の案件では「なぜその決済ブランドを導入するのか(誰がどう喜ぶのか)」をディレクターたる私が全くと言っていいほど意識しておらず、毎日のように重要ではない課題も含めてトラブルシューティングしてスケジュールを引き直していた気がします。また目的が言語化されていないために「どういうものが必要なのか」も曖昧なままになっており、開発メンバーにも「他のブランドと同じような感じでお願いします」と言って怒られる始末でした(ちなみに全然「同じような感じ」のものではありませんでした)。そんなことを繰り返しているので、打ち手を考えては目的定義に逆戻り・・・、と一向に前に進まない状況でした。

とはいえ、1日3回くらいのペースで「これって何でやるんだっけ?」と問われるうちに、嫌でも問われる前に自問するクセがついてきます。そうしてなんとか案件関係者にも説明できるようになってきたころ、自ずと案件の進みがよくなってきたことに気づきました。おそらく、ゴールに到達するのに本当に必要な課題に集中できるようになってきたことに加えて、そのゴールからブレイクダウンして関係者に要件を共有できるようになったことで、周りも含めてゴールを見据えて走ることができるようになってきたということがあるんじゃないかと思います。実際に業務や開発の担当者と話すとき、かつては「何のためにこれやろうとしてるの?」と訊かれることが多かったのが、「これを目的にするなら、こういうつくりにしたほうがいいんじゃない?」と提案してもらえることが多くなりました。当然ながら、そうした担当者のほうが自部門のことに詳しく筋が良いため、品質も高くすることができる、ということに気づきました。

簡単そうで意外と難しいのでまだまだスマートにはいきませんが、関係者全員の目線が合うことがプロジェクトだけでなくプロダクトの質をも高めることに気づけたのは、最も大きな学びの一つだと思います。

むすび

リクルートで仕事をしていてよかったなと思うことは、ひたすらに「なぜそれをやろうと思うのか」「自分はどうしたいのか」を問われ続けることで、そうした問いを自らに投げかける習慣がつくことだと思います。そして「私はこうしたいです。なぜなら〇〇だからだ」という表明に対し、まっすぐな(立場を超えて、純粋に良いプロダクトをつくるという観点での)フィードバックをくれる人々が周囲にいることで、その考えの質を高めていくことのできる環境がある点も、自分の成長に大きく寄与してくれていると思います。リクルートへの入社動機が「どこにいっても通用するコアスキルを高めたい」だった私には、願ってもない環境です。

これからも、このような恵まれた環境を最大限に活用してぐんぐん力を高めていき、QRコード決済ブランド導入だけでなく、より大きな仕事にも携わっていき、自分だけでなくチームやプロダクトの成長にも貢献していけるようになっていきたいと思っています。

最後までお読みいただきありがとうございました! もしあなたが入社当時の私と同じような思いを持っていて、このnoteに少しでもヒントになることがあったならば、心からうれしく思います。

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