リクルートで働きながら「小さな農業」の実践。10ヶ月の半農生活で気づいた新しい暮らしとは?
こんにちは、リクルート プロダクトデザイン室 アドベントカレンダー 2022 7日目を担当する須佐和希(@3kdzuk)です。
2018年にUXデザインコースでリクルートに新卒入社して以来、PdM(プロダクトマネージャー)として『タウンワーク』や『リクナビNext』など人材マッチングサービスのUX改善を担当しています。またこのアドベントカレンダーを企画するような「中途採用プロジェクト」にも関わっており、プロダクトデザイン室についてより多くの方に知ってもらえるための活動も行っております。
この記事では、普段パソコンを使ってオンラインで業務している自分が、今年はじめた「畑」という身体を使ったオフラインの作業を経験して得た学びについて発信します。
中途採用プロジェクト内で畑の様子をたまに共有していたのですが、「IT業界で働きながら畑をやることの影響について発信してみたら、興味を持って読んでくれる人がいるんじゃない?」という話になり、今回記事を書かせていただくことになりました。
この記事を読まれる方は、おそらくIT関連の業務に携わっている方が多いと思います。
ITを使って多くの人にに使われるサービスをつくるのは楽しい一方、
と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし「畑経験ゼロの方に向けた、小さな農業のわかりやすいスタートガイド」はすぐ手に取れる場所にないと思います。そのため「畑をはじめること・続けること」は必要以上に難しく思われているような印象があります。
自分の経験を振り返ってみると「畑をはじめること・続けること」は想像以上に簡単でした。毎週水やりをする必要はなかったし、2〜3週間に1回畑に行けば十分な野菜を育てられました。また日常生活と異なった「畑」という時間を過ごせたことで、本業のパフォーマンスもポジティブに向上したと言えます。
そこで今回は、「IT以外にも自然に触れる機会を持ちたい」と思う方に、「畑は現役で働きながら十分に楽しめるアクティビティである」ということをお伝えしたいと思います。
読み終えたときには、
がわかるはずです。
図や写真をたっぷりいれて解説しているので、「初心者が畑を始めるための超シンプルなスタートガイド」になっていると思います!丁寧に解説していきますので、休憩時間にコーヒーでも飲みながら気軽に読んでみてくださいね。(事務局注:大作に付きコーヒー3杯とお茶請けなど楽しみながらどうぞ!)
畑をはじめたきっかけ
畑を始めたことを友人に報告すると「脱サラして自給自足したいの?」と聞かれることが多々あります。ここから「畑=引退後の趣味」のイメージが強いことがわかりますが、僕は引退をするために畑をしているのではありません。むしろ「仕事」と「畑」の相乗効果を期待して畑に取り組んでいます。
畑のはじめ方を説明する前に、まず僕が畑をはじめたきっかけについて紹介させてください。
コロナが蔓延しはじめた2020年4月ごろから、リクルートでは完全在宅ワークが必須化されました。最初は通勤時間も減ったことで嬉しかったのですが、「生活」と「仕事」の境界線が曖昧な在宅ワークを続けることで、微かなストレスを感じはじめました。
朝起きてパソコンに向かい、気がついたら日が暮れて、リラックスタイムも頭の片隅で仕事のことを考える…、1日の歩数が500歩に満たない日も増え、平日が過ぎるスピードも増しました。睡眠の質も下がり、階段を登ることも大変に感じるようになりました。
こんなことを思って生活していました。
そんな中、ある日本屋でアーティストの坂口恭平さんの描いた「Pastel」という画集を目にします。雑木林や海の絵など、昔どこかで見たことがあるような懐かしい自然の景色が収められており、パラパラめくるだけで「なんかいいな」という気持ちになりました。巻末コラムには、この画集をつくったきっかけは「畑」だと書いてあります。スーパーで陳列された野菜が誰がつくったかわからないことに違和感を感じた坂口さんは、その日のうちに区役所に電話をかけ、農園を借りたそうです。午前中に本の執筆や創作活動を終え、夕方に人生初めての畑に向かい、クワで土を耕し、汗を流し、そして家路につく帰り道で見た夕日の色がとても鮮明で美しく、それを絵にしようとしたのが「Pastel」という画集のきっかけ、と締めくくられていました。
こんなふうに思ったのが、僕が畑をはじめたきっかけです。
とは言うものの、最初は20代で畑をはじめるのは早過ぎるのでは?と思っていました。僕にとって20代から30代前半はキャリア形成において非常に重要な時期であり、この期間に畑をやることは、人生の優先度として低いのではと考えていたからです。しかし畑に憧れを持ってるだけでは、年齢を重ねていざはじめたとき、意外と自分に合わず落胆するかもしれません。だったら今からはじめてしまえ、という結論になりました。
こう考えることで心理的ハードルを感じることなく、畑をはじめることができました。
半年間の畑タイムライン
全くの未経験者かつ農業関係者へのツテもない自分ですが、独学で勉強して半年後にはカブやにんじん、とうもろこしやハーブなど色んな野菜を収穫できるようになりました。(時々友人に雑草を抜くのを手伝ってもらいましたが、一人でも十分育てられると思います)
この章では、畑をはじめてから収穫するまでの流れを時系列で振り返ることで、未経験者が畑をはじめる流れをイメージできるようにします。
読み終われば、まるで自分が畑をはじめて半年が経った感覚になるよう、丁寧に振り返っていきますね!
①農地を借りる
さて、いざ畑をはじめるとなっても次に何をしたらよいかわかりません。そこでまずは「畑 はじめかた」と検索して、畑をはじめる方法を調べてみました。
すると、個人が畑をする方法は意外に限られており、
という4つの方法に絞られるとわかりました。(参照)
農園を借りる場合は、市区町村が貸し出している「市民農園」を借りるか、企業が貸し出している「シェア畑」を借りるのが一般的です。市民農園なら、住んでいるエリアにも寄りますが5坪〜30坪の土地が年間10,000円以内で借りられます。
さて選択肢のうち、農地を買うには農家にならないといけないので現実的ではありません。農家の援農をするといっても、知り合いがいないので選択肢から外れます。残ったのは農園を借りるか家庭菜園をはじめるかですが、坂口さんに惹かれたのもあって、プランターや庭の栽培ではなく、できるだけ広い土地で野菜を育てられる市民農園がよいと思いました。
なので、「自分の住んでる街の名前+市民農園」で検索して、役所が募集している市民農園から自宅に近いところを数カ所ピックアップし、休日に足を運んでみました。そのうちの一箇所が静かで場所も広く、家から車で20分程とアクセスも良かったので、ここにしようと決めました。
ちなみに僕は関東北部の郊外に住んでいるので比較的近くに市民農園がありました。都心部だと市民農園がなかったりするので、その代わりに月10,000円以内で借りられる「シェア畑」をおすすめします。シェア畑なら、歩いて行ける距離の畑を借りられますし、道具は全て畑に備わっているので追加で買う必要もありません。フルタイムワーカーにとって「気軽に畑に行ける」のは重要です。畑が遠すぎると面倒くさくて行かなくなるので、畑を探すときは「20分以内に通えること」を条件にしましょう。
区役所に電話で連絡すると、募集を開始するのは毎年3月。それまでは借りることができないので、募集したタイミングで応募して欲しい、と回答がありました。連絡したのは1月だったので、2ヶ月間は畑の進め方をリサーチしようと決めました。
②図書館でリサーチ
畑を借りるまでの2ヶ月間、図書館で畑に関する本を15冊程読んでみましたが、意外と初心者向けのシンプルでわかりやすい本を見つけられませんでした。野菜それぞれの特徴や鍬の使い方などは細かく書いてあるのですが、「もう少し全体像をざっくり把握したいな…」と思っていました。
それぞれの本の情報を自分なりに整理すると、畑はざっくり5つのプロセスで進みます。
この5つをやれば野菜は育ちます。ただし各プロセスで種が発芽しなかったり苗が枯れたり収穫を不安定にする原因があるので、それぞれのタイミングで石灰や堆肥、肥料を加えたり、害虫対策をしたり工夫をこらす必要があります。
しかし僕は初心者なので、本に書いてあるような細かい工夫をすべてはじめから実践するのはとても大変に思えました。
なので1年目は、
という方針に決めました。この方針をとることで、石灰・堆肥・肥料を混ぜる土づくりのステップや、育成期間中の追肥タイミングなど、いろいろな工夫をスキップすることができます。本来はもっと丁寧に進めるべきなのでしょうが、僕はまだ畑1年目なので、できるだけプロセスをシンプルにしたかったのです。
またこの際、畑作業をするのに必要な道具も揃えておきました。
10ヶ月間、この道具以外は基本的に使っていません。(休むときの簡易椅子や、区画を整えるときの麻縄は追加で購入しました)僕が借りた畑は区画内であれば物を置いてOKだったので、道具をしまう倉庫も必要なかったです。都内で住んでいる方は、道具が全部揃っているシェア畑で畑を始めると、道具を揃える手間や道具をしまうスペースもいらないのでおすすめです。
ちなみにリサーチして驚いたのですが、実は、畑で野菜を育てるのに水やりはそこまで重要じゃないみたいです。畑の土には保水力(雨水を土に蓄える力)があり、また野菜は水分の多い方に伸びていく性質があるので、自然の雨降りだけで育てたとしても、野菜は勝手に育つそうです。「畑をやるなら毎週水やりしないといけないのかな」と思っていたので、この学びは結構驚きでした。実際僕は水やりを一回もしなかったのですが、野菜は元気に育ちました。
③土づくり
情報収集が終わり4月になったので、早速借りた土地に出向いてみました。去年は借りられていなかった土地のようで、ホワイトクローバーなどの雑草が生えまくっています。雑草の根が土を固くしてしまっており、このまま種を植えても野菜が土深く生えていかなそうです。
そのため、区画全部の土をひっくり返し、雑草を土の中に漉き込むことにしました。区画は約30坪(約100平方メートル)です。1/5区画を耕した時点で心が折れかけていましたが、なんとか区画整理を終えました。家に帰って食べた野菜カレーがめちゃくちゃ美味しかったです。
④畝立て
続いて畝立てです。畝とは高く盛り上げた土のことで、水捌けをよくし、根腐れを防ぐ機能があります。ロープを並行に貼り、スコップで土を盛り上げ、畝をつくっていきます。
1日6時間、2日かけてつくりました。畝は最初作るのが大変ですが、一度作ってしまえば年中同じ畝を使い回すことができるので、あとから楽になります。今思えばこんなに土を高く盛り上げる必要はなく、鍬でちょっと高さを出せば十分です。かかる時間も1/10でおさまるでしょう。でもこのときは身体を動かすことがとにかく楽しすぎて、やけに張り切って畝をつくりました。気付いたら日が暮れていたのですが、火照った体で夕日を見るのはとても気持ちがよく、その日はよく眠れたのを覚えています。ちなみに畝の上に草を乗っけているのは土の乾燥防止の目的です。
後日、敷いた藁が強風で隣の畑に吹き飛んだので、石と竹を拾ってきて押さえつけました。
⑤タネ植え
さて畝を立てたらあとはその上に種を植えます。事前にネットで調べて、自分が育てたい野菜のタネをまく時期を整理していました。それをもとに種植えの設計図をつくります。
など、素人なりに種撒きの設計をしました。
最終的には、畑をラベンダーで囲ったら害虫対策にもなるし、作業中に良い匂いがかげて最高なのではと思い、このような設計図でいくことにしました。太陽の上がる方向も意識した設計、我ながらよくできたと思います。(まあこの計画通りには全然進まないのですが)
近くのホームセンターで種を買ってきました。ニンジン、ラディッシュ、カブやとうもろこしなどは4月が種植えの時期だったので、藁をどかして種を植えました。無事育ってくれるといいのですが…。
⑥育成
種を植えたら、あとは雑草を取ったり、茎が折れないよう柵を立てたりなど、適当に過ごしていました。僕は追肥などしてないので、基本的に種を植えたらあとは放置です。このあたりからやることがグッと減ってきて、「発芽してないかな〜」と畑を一周して帰る、みたいな日が続きました。種植えや収穫はイージーなので、最初の畝立てを効率よくやれば想像以上に楽に野菜は育てられます。
ある日畑に向かったらラディッシュや枝豆、とうもろこしが発芽していて嬉しかったです。別にやらなくてもいいのですが、苗に土を寄せて風で折れないようにあれこれしてました。
ラディッシュの発芽。「すじまき」という直線状に掘った溝にタネをまく方法をとったので、線状に発芽しています。綺麗に発芽していますね。
枝豆の発芽。意外と茎が固いです。
とうもろこしの発芽。最初雑草と見分けがつかず、とうもろこしだと思って育てた苗が実は雑草…ということを数回繰りかえします。
えんどうも無事に発芽。
トマトの苗だと思って育てていた苗。実は隣の畑から流れてきたマリーゴールドでした。大きくなってくれと思いながら育成していましたが、ある日畑に向かったらトマト畑一面が綺麗なオレンジ色のお花畑になっていて驚愕。GWに改めてトマトの種を植え直しました。
⑦収穫
さて、あとは収穫です。追肥もせずたまに雑草をとったりなどほぼ放置していたのですが、野菜は成長するもので、ラディッシュやカブ、枝豆やとうもろこしを段ボールいっぱいに収穫することができました。ズッキーニなど瓜科の野菜は成長が早く、1週間で爆弾級に大きくなってしまいました。キュウリやかぼちゃ、ズッキーニは注意したほうがいいですね。
僕はラディッシュが大好きなのですが、スーパーで売ってるラディッシュは値段が高く、いつか山盛りいっぱいにラディッシュを食べられたらいいのに、と思っていました。畑をやってその夢は叶いました。採れたてのラディッシュは辛くなく、むしろ甘かったです。バジルなんか香りが強すぎて、1枚入れるだけで十分なくらいでした。ルッコラやパクチーなどの葉物系はたくさん採れるので、初心者にもおすすめです。
台風に負けず、トマトも結構育ってくれました。虫に食べられるのが嫌でまだ緑色のトマトを収穫し、日に当てて赤くしていき、トマトピューレにして保存しました。
⑧秋に向けて
夏野菜は一通り収穫を終えたので、今は玉ねぎやにんにくなど、秋冬野菜を植えています。畝は一度作ったものを使いまわしているので、あとは種を植えてたまに畑に行くくらいです。夏場と違い雑草の勢いも弱まっているので、最近はキャンプに行くような感覚で、日曜の夕方に畑に行ったり行かなかったりする生活をしています。
春夏野菜は種から育てていたのですが、発芽は気候に左右されることが多く不安定だったので、玉ねぎは苗から植えてみました。ここから冬を越してうまく大きくなるといいですね。
畑を生活に取り入れて気づいたこと
半年間、平日は仕事をして、日曜に畑に行くような生活をしていました。畑を生活に取り入れることで、本業にもいくつかポジティブなフィードバックがありました。ここでは、畑と本業をミックスすることで得られた学び・感覚について共有させていただきます。
夕方の畑は、とにかく気持ちがいい
僕が畑を続けられている最大の理由は、「夕方の畑が気持ちよすぎて思わず足を運んでしまうから」です。春も、夏も、秋も、そしておそらく冬も、畑にいて一番気持ちが良いタイミングは夕方です。
夕方の畑はとにかく気持ちが良いです。夕方は気温も落ち着いており、虫や鳥も静かです。畑で作業しながら徐々に日が暮れているのを感じたり、夕日が沈んでいく様子をコーヒーでも飲みながらボーッとみていたり、夕方の暖かい日差しの中で野菜を収穫したりしていると、気持ちが穏やかになります。小学校の夏休みにプールに行って夕方友達と自転車で一緒に帰るときのような、楽しい気持ちになります。
実際、知り合いを夕方の畑に連れて行くと、最初はわいわいがやがやと作業していたのですが、徐々に口数も減り畑作業に没頭していました。帰宅する車の中で
と言っていました。リラックスする方法は人によって様々だと思いますが、焚き火やキャンプ、サウナといった活動の他に、夕方の畑も選択肢としてありだと思います。
生活の彩りが増える
やはり自分で作る野菜はおいしいです。市販されているものとは味が全然違うので、例えば以下のようにその日採れた野菜を少し夕飯にいれるだけで、生活に彩りが生まれます。
仕事を終えてから畑に向かい、収穫したばかりの新鮮な野菜を食卓に並べて見ると、自然と幸せな気持ちになれます。「採れた野菜がおいしい→次はこんな野菜を植えてみよう」という好循環が生まれ、春夏の夕飯を楽しく過ごせました。
リモートワークだと環境がずっと同じで切り替えが難しかったりしますが、畑に行くことでいいリフレッシュになります。平日の夕方までガッツリ仕事して、夕方から畑で野菜を育て、その日の夕飯の彩りを増やす、みたいな生活はうまくバランスがとれてていいなと思います。
畑に行くとプレッシャーが抜ける
今年の春夏は自分の社会人生活の中でトップレベルに忙しく、向き合わないといけない課題は個人的にかなり難問でした。考えがまとまらず眠れない日が続いたのですが、畑にいって伸びきった雑草を草刈りしたりしていると「ま、こうして畑をやってのんびり生きることもできるし、そんなに焦ることもないな」と思えて、肩の力が抜けました。
畑って、なんかいいですよね。借りた土地で、野菜を丁寧に育てるだけで、自分たちの食生活が豊かになります。目の前の仕事とか将来のキャリアとか、難易度の高い問いに向き合っている方も多くいらっしゃると思います。そんな方達こそ、ベースキャンプとしての畑が機能すると思います。「足るを知る」という言葉がありますが、畑で普段の食事をまかなえる状態は、ある意味「足るを知った状態」とも言えるかもしれません。もちろん畑で自給自足するとなると難易度や大変さも変わってくるでしょうが、 それでもその状態にいつでも近づけるよう、週末農業を続けることは価値があると思います。
個人差はありますが、畑にはサウナやキャンプ同等かそれ以上のリラックス効果があります。また野菜の育成方法は奥深く、いつまでも学びがいがあります。加えて収穫した農作物で自分の生活を彩ることもできれば、生活コストを減らせる分仕事のプレッシャーをほどよく軽減してくれます。そういった意味で、僕はこれからも「畑で動かす身体」と「頭を使う本業」のバランスをうまく取りながら生活していきたいと思います。
5分でできる畑のはじめ方
さて、ここまで読んで畑をやってみたい…と思った方、試しに一歩だけ行動してみましょう。
畑をはじめることは非常に簡単です。「自分の住んでる街の名前+市民農園」で検索してください。記載された電話番号に連絡すれば、畑をはじめる第一歩が踏み出せています。
都内でもシェア畑のような小区画を低コストで借りられるサービスがありますし、もし地方に住んでいるならかなり広い土地を年間10,000円以内で借りることができます。
実際僕の借りている土地は30坪で、年間4,000円しかかかっておりません。畑を始めるのは本当に簡単です。必要な道具も10,000円以内で用意できるでしょう。シェア畑なら最初から道具が置いてあるので、買う必要もありません。
「そんな気軽にはじめても、続かなかったらどうしよう…?」と不安に思うかもしれませんが、少なくとも2〜3週間に1回くらい畑に行けるなら野菜は育てられます。肥料を与えなくても土に植えればだいたい野菜は育っていきます。
実際やってみて続かないなら違う趣味を模索すればいいし、続くなら肥料を入れるなど追加で工夫をすればOKです。まずは畑を借りて土に種を植えれば週末農業は始められますし、是非気軽にチャレンジしてみて欲しいです。
……と焚きつけておきながら、実際行動に起こすのは大変だと思います。もし1日だけ試しに畑を経験してみたい、とかであれば、Instagramとかで週末農園をしている方にDMして、1日だけお手伝いさせてもらうとかもありです。
農家さんにお願いするのはちょっと仕事っぽくてハードルが高いと思うので、上記のようなお試しから入ってみるか、失敗してもOKだという人は市民農園やシェア畑を借りてみましょう。
畑を気持ちよく続けるために絶対守ってほしい注意点2つ
畑を始める時に絶対に守って欲しい2つのことがあります。
週末農家にとって最大の難関は「夏の雑草」です。夏の雑草は信じられないスピードで成長していきますので、ここだけは対策をする必要があります。
夏場の雑草対策として最低限この2つを守れば、あとは適切な時期に野菜を植えさえすれば大丈夫です。
注意点①夏野菜は必ずポリマルチすること
夏場の雑草は本当にやばいです。
僕は自然農法という肥料やプラスチック類をなるべく使わない農法にチャレンジしていたのですが、夏場は刈っても刈っても雑草が生えてきます。
例えばこれ。一度雑草を綺麗にして、3週間後に畑にいったときの状態です。
すごいですよね。7月から8月は気温も高く、畑にいるだけでフラフラしてくるので、この状態で雑草を刈るのは無謀です。僕はこれが原因で一時期畑が嫌になっていました。
なので、初心者はこんな感じで黒いマルチを敷くことをお勧めします。マルチとは真っ黒いビニールシートのことで、畑にかぶせることで日光を遮り、雑草の繁殖を防ぎます。
これを敷けば野菜の周りに雑草は生えてきませんし、夏場の畑が格段にやりやすくなります。「ポリマルチ やり方」とかでググれば無限に情報が出てくるので、それを参考に初年度はマルチングすることをお勧めします。私は来年絶対ポリマルチをします。
注意点②最初は5坪くらいからはじめること
これも1つ目の理由と一緒で、夏場の雑草対策として小規模に始めることをお勧めします。
規模の目安としては5坪くらいがお勧めと言われます。だいたいビジネスホテルの寝室部分くらいの大きさですね。このくらいの大きさがあれば3〜4畝はつくれるので、毎シーズン3〜8種類くらいの野菜が育てられます。
まず初年度は5坪の畑で野菜を育てるプロセスを1周してみて、そこから徐々にスケジュールと相談して畑の面積を増やしていきましょう。僕は初年度から30坪の畑を借りたので、畝立ても雑草取りも泣きをみました。
ぜひ小規模+ポリマルチで夏場の雑草対策を最低限しつつ、気軽に週末農業を始めてみてください!何かわからないことがあったらInstagramでDMしてくれれば、わかる範囲で回答させていただきます。
まとめ
ここまで、
について述べてきました。
自分がリサーチしたときは、初心者が畑を始めるための超シンプルなスタートガイドのようなものは見つけられなかったので、この記事が誰かにとってその役割を果たしてくれるなら、これ以上嬉しいことはありません。
この半年間、2〜3週間に1回畑に出向いて、2時間くらい土をいじる生活をしてきました。こんな感じでゆるく向き合ったとしても、畑で野菜は育てられますし、日々の暮らしの中で穏やかな気持ちを感じることもできます。
多くの人にとって「畑=引退後に時間ができたら始める趣味」だと思われていますが、実際は3週間に1回ほど畑に出向くことができれば、現役フルタイムで働いていている人でも十分に挑戦できるアクティビティです。年間10,000円以内で畑は借りられますし、「やってみたいけど時間もお金もかかりそう…」と思ってる方はこの機会に是非チャレンジしてみてください。もしあなたのライフスタイルに畑がマッチするなら、一生物の遊びが手に入りますよ。
ここまで読んでいただきありがとうございました!