見出し画像

チームの絆が深まるパーパスステートメントのススメ

こんにちは。「Airリザーブ」のプロダクトデザインを担当している河合です。

みなさんは、業務の中でチームメンバーとの意思疎通がうまくできずに悩んだことはありますか?
仕事だけの関わりだとメンバーの内面まで見えてこないので、相手が何を思っているのか分からずに気を遣うことが私はあったのですが、パーパスステートメントというフレームワークによってやり辛さを解消できました。

今回はパーパスステートメントを活用することで、チーム内の関係性が良くなり仕事がしやすくなった話をします。

パーパスステートメントとは?

パーパスステートメント(Purpose Statement)とは、自身の存在意義や特徴を相互理解することで、リーダーシップを取る際に役立つというフレームワークです。
(出典:Leading From Purpose/Nick Craig

パーパスを直訳すると「目的」になります。リーダーといったポジションに限らず、誰でも心の奥に「目的=パーパス」を持っています。それを言語化することで潜在意識が見えるようになり、メンバー間でシェアすることで相互理解に繋がるのです。

なぜパーパスが大事なの?

本題に入る前に、パーパスがなぜ重要なのかが分かる「ゴールデンサークル理論」をご紹介します。

画像6

ゴールデンサークルとは、円の内側からwhy → how → whatという順番で物事を説明をすることで、人を惹きつけるリーダーシップが取れる、という理論です。なぜならば、人間は「何をやるか(what)」ではなく「なぜやるか(why)」に心を動かされる生き物だからです。

「なぜやるか(why)」を言い換えると「目的」に通じます。自身の行動の理由・目的、すなわち信念を明快にすることで、人は惹きつけられ、心を動かされるのです。
ゴールデンサークルについては、下記の出典からどうぞ。
(出典:優れたリーダーはどうやって行動を促すか/Simon Sinek

どうやってパーパスを言語化するの?

では本題の、パーパスステートメントのワークの手順についてです。
パーパスは、アイデンティティ・自分が何者であるかを深堀りすることで見えてきます。
下記4つの質問に答えてみてください。

1.
 
幼少期に夢中になっていたことはなんですか?
そのときどういう気分でしたか?

2.
 
これまでの人生で経験した大きな困難2つはなんですか?
それによって自分がどう形成されましたか?

3.
最近自分が活き活きしていると感じるときはどんなときですか?

4.
これらを踏まえて個人の存在意義・目的を一文で表してください
(仕事とプライベートの区別はしない)

実際にチームでやってみた

画像6

私のチームでは、個人ワークでパーパスを言語化し、チームで共有する場を設けました。
かけた時間は、下記の通りです。
作成(1時間半〜2時間)
各々が自分と向き合って黙々と作成します。伝わりやすいように、各質問に対しての「答え」と「画像」や「補足説明」を載せて、簡単なスライドを作りました。
制作したスライドの一例がこちらです。

画像6

発表(ひとりあたり約10分)
答えとその理由を語ります。日常の会話では出てこないような話(これまでの体験、考えてきたこと、心の中に抱えていた思いなど…)がたくさん出てくるので、長くなったとしてもそれぞれじっくり聴きました。

感想の共有(ひとりあたり約20分)
メンバーの発表を聴いて、どんな感想を持ったか、日頃の仕事への取り組み方と絡めて話したりしました。

作成時間はあくまで目安ですが、約1時間で大枠はできました。自分と向き合う時間にもなるので、2時間程度ゆったりとるのがオススメです。
ちなみに、今回のワークは全てリモート環境で行いました。

効果1 : 自己開示による安心感が生まれた

画像6

まず、相手は自分のことを知ってくれている、という安心感が生まれたのが大きな効果です。

仕事の関係のみで自分の内面・思考を表に出すのは難しいと思いますが、このワークによってさらけ出すことができました。パーパスステートメントの質問は、幼少期や、人生の中で困難に感じたことなど、自己開示するのにピッタリな内容ばかりで、メンバーの背景となるものを辿ることができました。
また、発信するのが苦手な人の心の内を聴くことができたり、自己開示をした相手には自分の意見を伝えやすくなりました。

効果2 : タスクを分担しやすくなった

iOS の画像 (11)

メンバーに自己開示をしたことで、タスク分担がスムーズになりました。

今までは、本意でないものをお願いするのも悪いな…と遠慮する気持ちがあり、「何をやりたいか」を踏まえてタスクを分担していました。
今回の自己開示によって「なぜやりたいか」「どうなりたいか」が分かったので、苦手そうなタスクだったとしてもその目的に繋がると思えれば、サポートする前提で分担しやすくなりました。

効果3 : 自分の軸が言語化できた

画像6

最後の質問「個人の存在意義・目的を一文で表してください」がこれに当たります。

3つの質問に答えていくと、過去を振り返る中で自分を構成する要素・アイデンティティを見つめ直すことができます。最後の質問の答えは、現在の自分を表すと同時に「こういう自分であり続けたい」という未来への理想も含まれているように感じました。
つまり、今回導き出したパーパスを自分の軸に据えることで、言動・行動に一貫性が出てくるのです。

実際に得られた効果について、少し具体的にご紹介します。
私の場合は存在意義・目的をこのように表しました。

一歩を踏み出すこと
理由:直感が働けば初めての環境でも物怖じせずに飛び込んでいけるため。
   未開の地を切り拓いて、人が歩ける場所にしていきたい。

私が「Airリザーブ」に参画してから1年間、前任のデザイナーの方々が着手していなかった領域に範囲を広げるように努めました。その結果、「Airリザーブ」のクリエイティブの品質向上に少しずつ寄与できていると感じています。
自分の信念を貫いてデザイナー未開の地に一歩を踏み出したことでチームに貢献できた、この軸を持って取り組み続けるとまた組織貢献に繋がりそう…というループが生まれました。

また、少し話は変わりますが、日々の生活の中で意思決定を迫られて悩んだり、モヤモヤした経験は誰にでもあると思います。
そんな時に軸に立ち返ると自分らしい選択ができるので、もしその先で失敗したとしても心による決断を後悔することは少なく、次に向けて改善しようという前向きな気持ちになれると私は感じています。

このように、言語化した軸を意識すると自分らしい選択ができ、言動・行動に一貫性が持てるので、ぶれない自分を目指すのに有効だと思いました。

まとめ チームの絆を深めるのに役立つ

最後に、パーパスステートメントを共有して得られた効果をまとめます。

・チームメンバーへの安心感が持てる
・業務分担がスムーズになる
・ぶれない自分を目指せる

このワークに特別な準備は必要なく、リモート環境でもできます。チームメンバーとより良い関係性を築き業務を円滑にする方法の一つとして、参考になれば幸いです。

プロダクトデザイン室では、一緒に働く仲間を募集しています。