見出し画像

グッドデザイン・ベスト100受賞の裏側――「Airレジ ハンディ」

こんにちは、プロダクトデザイナーの高橋 朋子です。「Airレジ ハンディ」を担当しています。

👇「Airレジ ハンディ」についてはこちら


「Airレジ ハンディ」がグッドデザイン・ベスト100を受賞しました🎉

画像5

グッドデザイン・ベスト100は、その年のすべてのグッドデザイン賞受賞対象の中で、審美性、提案性、可能性など総合的に優れているとして高い評価を受けた100件です。

審査員のコメントは以下の通りです。

2014年にグッドデザイン賞を受賞した「Airレジ」では、POSレジのみの機能提供であったが、「Airレジ ハンディ」では注文・調理・配膳業務を支援するモバイルアプリケーションを提供することで、飲食のフロント業務からバックエンド業務までをend-to-endで支援するサービスへと進化している。 ハンディターミナルをipod touchとすることで、小規模な飲食店でも安価に導入でき、作り込まれたUIにより新しく入ったスタッフも直感的に操作することが可能となっている。

今回はグッドデザイン賞応募から受賞までを振り返っていきたいと思います!


そもそもグッドデザイン賞って?🤔

赤いマークでおなじみのグッドデザイン賞。

グッドデザイン賞は、製品や建築、ソフトウェア、サービスなど様々なものに贈られる賞です。
私はグッドデザイン賞に応募する前は、「グッドデザイン賞?あー赤いGマークもらうやつだよね」くらいの認識だったのですが、下記の2019年度の審査委員長メッセージがとても素敵で、「絶対賞取るぞ」っていう気持ちになりました🥺

「今より何かを少しでも良くしたい」人のそのような想いを起点としながら、実像を導いていくのが、デザインという営みです。例えばそれがひとつの小さなモノであっても、デザインの対象として向き合うことによって、生活者に対してどのような素晴らしい体験を届けられるかをイメージしたり(中略)理想に近づくためにさまざまなアプローチを辿りながら具現化ができるのです。

https://www.g-mark.org/guide/2019/guide1.html#guide1


グッドデザイン賞スケジュール🗓

今回は、以下のようなフローで応募を進めていきました。

4月26日 応募説明会参加
GW明け〜5月23日
1次審査(テキストの審査)項目記入を進める
途中、5月15日に個別相談会に参加し、事務局の方からフィードバックもらった
6月27日〜7月29日
1次審査結果通知後、2次審査(現品審査)の準備を進める
パネルの制作やディスプレイにつかう備品の調達をした
7月29日
2次審査搬入
幕張メッセにパネルや機材を搬入し、設置した
7月30日-8月2日 2次審査(現品審査/対話型審査)
9月4日
2次審査結果通知(受賞内定)
グッドデザイン・ベスト100内定となったので、プレゼンと受賞展の準備をした
10月9日 ベスト100デザイナーズプレゼンテーション
10月31日-11月4日 グッドデザイン賞受賞展


応募説明会〜1次審査提出✏️

1次審査はテキストの審査になります。

私はグッドデザイン賞に応募したことがなく、右も左もわからなかったので、応募説明会に参加しました。4月下旬に講義形式で説明を受けるものが、5月中旬に1対1で審査に関する個別相談会ができるものがありました。

個別相談では、1次審査の下書きを持っていってレビューがいただけたので、大変参考になりました。デザインについての設問は、抽象的で解釈がしづらいところもあったので、そういったところを個別相談で質問しました。

👇1次審査で質問された内容と、最終的に提出したテキストはこんな感じ

スクリーンショット 2019-09-18 12.55.05

1次審査応募の進め方としては、
まず、プロダクトマネージャーやUXデザイナーの方に文字数無視して、テキストを書いていただき、その後わたしが情報の取捨選択をして文字数内に収めていくという感じで進めました。
文字数に収めるコツは、設問を1個1個答えるのではなく、設問と設問には関係性があることを意識して、前の設問で記述した内容は極力重複して書かないようにすることです。
当たり前のように感じるかもしれませんが、私はそのことを意識して書かないと、「全部の設問で似たようなこと書いてる!」状態に陥りました...

ある程度テキストがまとまってきたらプロダクトマネージャー、デザイナー、エンジニア全員でコメントを入れていき、ブラッシュアップを締め切りギリギリまで重ねました。

また、テキスト以外にも、動画や画像、PDF資料を添付することができます。(わたしは前日に焦って作って提出しました。)


1次審査結果通知〜2次審査👩‍🎨

画像1

※審査会場の写真は、他の審査作品が見えないように加工した上で掲載許可をいただいています。

6月27日に1次審査通過のお知らせが届いたので、7月29日の2次審査搬入に向けて準備を開始しました。

2次審査は無人ブースでの現品審査と3分程度の対話型審査が行われました。

現品審査では、以下の2点を意識してブースを制作しました。
①1次審査で書いたテキストを視覚的に印象づける
②操作説明のスタッフがいなくても、カンタンに「Airレジ ハンディ」を使うことができ、利用イメージが湧く

👇立てたパネル

画像2

立てたパネルは、1次審査の内容を視覚的に説明するために作りました。
飲食店の中での困りごと(左側)を、「Airレジ ハンディ」が解決する(右)ように見せています。
横幅2,000mmの大きなパネルなので、A3の紙にタイル印刷をして、何度も見え方を確認しながら制作を進めました。

テキストにもこだわりました。1次審査のテキストをパネル用に要約したときに、前後の文脈が消えた結果、テキストの表現がゆらいでいるように見える部分があったため、テキスト修正を何度も行いました。
例えば、「おもてなし」「接客の品質が上がる」「(おもてなしの結果)リピーターが増える」など似たようなことを違う言い回しで書いている部分があったのですが、チーム外の人にはつながりが見えにくい文章になってしまうので、「おもてなし」「接客の品質が上がる」「(おもてなしの結果)リピーターが増える」は基本的に「おもてなし」で統一しました。
キーワードをつくることで、因果関係のわかりやすいテキストになりました。

👇寝かせたパネル

画像3

寝かせたパネルは、「Airレジ ハンディ」利用時の業務フローを説明しています。
「Airレジ ハンディ」は、ホールスタッフやキッチンスタッフが、飲食店内の様々な場所で使うシステムなので、誰が、どこで、どのように使うのかがパッと見でわかるようにまとめています。

ブース制作では時間が限られていたため、私以外にデザイナー2名に協力していただきました。
テキストのブラッシュアップと、ヴィジュアルのブラッシュアップを並行して行えたので、複数人で制作したのは良かったと思います。


対話型審査では、こちらから概要を説明した後は質疑応答となり、同じAirシリーズのプロダクトである『Airレジ』との関係性や、サービス開始のタイミングやアカウント数など「Airレジ ハンディ」のサービス全般について質問されました。

感想💭

1次審査の段階で、チーム全員でサービスデザインについてしっかり言語化し、合意がとれていたので、1次審査で記述した内容をコアにして、2次審査やプレゼン審査の準備を進めていくことができました。
逆に、1次審査をテキストだからとテキトーに進めていたら、きっと2次審査の準備は時間不足で難しかったと思います。

「今日におけるデザインの水準を高めるに相応しい、これからのモデルとなりうるデザイン」としてグッドデザイン・ベスト100に選出されたので、
これからも飲食店の方々の煩わしい業務を減らし、自分らしいお店づくりに貢献できるようプロダクトデザインがんばります💪


グッドデザイン賞受賞展に展示します🎃

2019年10月31日(木)〜11月4日(月・祝)、東京ミッドタウンで行われるグッドデザイン賞受賞展にも展示しますので、ぜひ「Airレジ ハンディ」触りに来てください〜!


👇採用はこちら


この記事が参加している募集

プロダクトデザイン室では、一緒に働く仲間を募集しています。