Config 2023に現地参加して、リクルートのデザイナーが持ち帰り考えたこと
こんにちは!
2023年6月、サンフランシスコで行われたイベントConfig 2023にデザインマネジメントユニットから9名参加してきました。
デザインマネジメントユニットはリクルートのデザインを統括する社内横断組織で、参加したメンバー全員がさまざまな領域のサービスを担当しています。組織の詳細が気になる方はこちらをご覧ください。
今回はConfig 2023で得られた学びからリクルートのデザイナーとしてチャレンジできることは何かについて主に書いていければと思っています。
Configとは
ConfigとはFigma, Inc.が主催する年に1度のグローバルイベントで、3年ぶりのリアルイベントとしてサンフランシスコ・モスコーニセンターにて開催されました。現地には8,500人の来場者が詰めかけ、オンラインでは約15万人が世界中から参加。イベントは6/21(水)、22(木)の2日間で47セッションが実施され中身の詰まった2日間となりました。
会場では、Figmaに追加・改修して欲しい機能をフィードバックするとグッズがもらえるブースなどFigmaの体験を楽しむ工夫が盛りだくさんでした。当社メンバーもブースで機能のフィードバックをして素敵なグッズを頂きました。
新機能紹介セッションからAIセッションまで
Config 2023 Product Launch Keynote - Dylan Field, Kris Rasmussen
今回のアップデートはDesign×Dev機能の強化ということで、嬉しい機能が沢山追加されています。
詳細はFigma公式ウェブサイトで紹介されているので詳しくは触れませんが、今回のアップデートのひとつであるDevモードに関しては社内開発者とデザイナーがどのように連携して進めるか、について議論する場が増え、効率的且つ密に連携しながらデザインシステムを設計できるのではないかと感じています。
AI and the future of design: Designing with AI - Noah L, Jordan S, Andrew P, Vincent van der Meulen
AIセッションでは、FigmaがAI生成についてどう考えるか、この先デザイナーはどう進むべきかについて述べられており、各担当(PM、デザイナー、開発等)が自身の業務領域の枠を超え、プロダクト課題に対して一丸となって解決していく時間に注力できる、そんな世界を感じました。
生成AIはデザイナーの仕事を奪うのではなく、単調な作業や量産をしてくれることで、私たちが課題解決に集中できるように手助けをしてくれます。
その1つが今後のFigmaであるということを感じさせてくれる熱いセッションでした。
Config 2023での学びから得られた新たなチャレンジ
帰国後に参加メンバーが気になったセッションをシェアする中で、リクルート社内で適用するとどんなチャレンジが生まれるか、すでに実施していることはないか共有と議論を行いました。
今回ピックアップしたセッションからSystem(体系)、 Emotion(感情)、 Organization(組織)の3つのポイントで簡単に紹介したいと思います。
System
Designing for the evolving needs of society - Carina L, Rachel T, Yuka M (Config 2023)
このセッションでは、不確実性の高い行政課題に対して圧倒的なスピードで解決策をリリースした成功事例を共有しながら、その背景にある検討プロセスとチームづくりのポイントに触れていました。
当社でも、デザイナー、PM、エンジニアといったチームで新規プロダクト開発を進めますが、専門性の異なる担当者間ではなかなか目線が合わずに議論が紛糾したり、ステークホルダーとの合意形成に時間がかかってしまうといった課題があります。
事例の中では、Principle(原則)を制定することでこの課題を解消しています。
例えば、”誰ひとり取り残さない”という原則がありますが、「〇〇だと高齢者にとって利用が難しい、だから✕✕にしよう。」というように、判断軸を定義し共通認識とすることで立場や専門性に囚われず同じ目線で議論を進められるようになります。
このように共通の指針を持つ事で、意思決定のスピードや議論の質を向上させており、自分の関わるチームでも是非活用していきたいと思いました。
Emotion
Putting joy on the roadmap - Jenny Wen, Mihika Kapoor, Kee Yen Yeo (Config 2023)
このセッションでは体験に喜びをもたらす「Delight」がテーマ。デジタルの世界では指標や効率に重点を置きすぎた結果、喜びやワクワクが失われているという問題提起を行いながら、体験への喜びのもたらし方、そしてその意義について語られていました。
喜びのもたらし方については日本の寿司職人を例に挙げ、相手をよく観察したうえでの細かな気配りがその方法だとし、製品開発における実践方法についても紹介されていました。
また、喜びをもたらすことはユーザーとの感情的な繋がりを築き、製品の成長にも大きな役割を果たすという点で意義があるとしていました。
当社プロダクト、『Airウォレット』も「Delight」に取り組んでいます。
セッションの中では実践方法のひとつとして「ブランドの喜びを定義する」ことが挙げられていましたが、『Airウォレット』でも「Hospitality」を基準のひとつして持っており、ユーザーに喜んでもらいたいという思いから出金完了画面にぶたの貯金箱を登場させています。
手数料無料で残高を口座に戻せたことをぶたの貯金箱にお金がたまる様子で表現し、ユーザーにちょっとした楽しさと癒しを届けています。
Organization
Growing up at Netflix: Strategies for cultivating emerging talent - Matt Da Silva, Indya McGuffin
Netflixが開催したこのセッションでは、デザインチームに、Netflix社の文化でもある自由に物事を動かせる環境のある「Freedom」と、それに伴う当事者意識の「Responsibility」を浸透させて、良いチームの土台作りに成功し、新メンバーの育成戦略やサポートし合う環境を作り上げたことについて話されていました。
リクルートのデザインマネジメントユニットも、リクルート全体のバリューをもとに、デザインディレクターのフィロソフィー「動かすデザイン」を掲げています。
このセッションで発表された仕組みを参考に、以下の3つの観点から、チーム内で新メンバー向けのオンボーディングを実践してみました。
初日でも恐れずに発信・アウトプットできる環境作り。
コンテキストを意識したチーム作り。
Wow体験が生まれるような実験場や実験材料の提供。
具体的には、Slackで新参者のオンボーディングチャンネルを作成し、PMやデザイナーなどのステークホルダーを招待し、周りからの情報共有や自分からの発信の場として活用されています。また、コンテキストを理解してもらうために、足元の業務だけではなく、全体戦略や組織・チームに関連する資料をまとめたオンボーディングドキュメントを用意してみました。
そして、実験場として、FigJamで各メンバーのインスピレーションを気軽に共有し蓄積していく仕組みを運用し始めました。
今回のConfigは機能のアップデートはもちろん、私たちにチャレンジできそうな問いを見つけるための良い機会にもなりました。
話し合いの場を設けたプロジェクトもあれば、実際にチームでも動き出した事例もあります。
この学びのある体験を作ってくださったConfigとFigma Japanの皆様に感謝しております。
横のつながり&コミュニティの作り方
開催中はFigma Japanさんが日本から来られている方々とコミュニケーションの場を作ってくださり、大変貴重な時間を過ごすことができました。
セッションの話や気になる機能など会社の垣根を越えてディスカッションすることが多く、今後日本でも何かしらの形で皆さんと交流が続いていけば嬉しいなと思っております。
https://twitter.com/FigmaJapan/status/1671372916817285120?s=20
最終日は日本企業の懇親会会場にCPOのYuhki Yamashitaさんが来てくださり、今回のアップデートや今後のFigmaについてなど熱くお話しできる機会もありました。
今回、参加したメンバーは手挙げ制度を利用し参加しております。
弊社では自分から手を上げれば学びたいことに協力してくれる体制があります。
手挙げ研修制度を利用して参加したセミナーに他レポートも気になる方はこちらを覗いてみてください。
最後に
ここまで読んでくださりありがとうございました!
日々のデザイン業務だけでなく、我々のデザイナーとしての立ち位置をも振り返る良い機会になりました。
また横の繋がりが増えたことで今後他社とのコラボレーションなど楽しみも増えました。
イベント登壇のお知らせ
Figma社主催のイベントに、弊社の磯貝、熊崎が登壇いたします!
パナソニック様、リクルートの2社より、デザイン組織の今後の在り方や働き方を、実例を交えてご紹介します
詳細はこちらからご確認ください!
https://figma-panasonic-recruit.splashthat.com
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