慣習や文化の異なる人とプロジェクトを進めるための肝3選
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慣習や文化の異なる人とプロジェクトを進めるための肝3選

リクルート プロダクトデザイン室

こんにちは。リクルートでプロダクトデザインを担当している佐久間です。
今回は慣習や文化の異なる人とプロジェクトを進めるための肝3選と題して、社内外のステークホルダーとプロジェクトを進める際に押さえておきたいポイントを記事にしました。
プロジェクトと一言で表しても中身は多種多様ですよね。リクルートではお互いをよく知っているチームでプロジェクト推進を行うことが多いのですが、大規模案件の際には社内外の慣習や文化の異なる人とプロジェクト体制を組むことがあります。今回はとある大規模案件を題材にして記事にしました。
また、プロジェクト推進だけではなく、プロダクトの顧客理解につながる要素もあると思っています。カスタマーサクセスを推進している方も最後まで目を通して頂けると嬉しいです!

1.雑談でステークホルダーの本音を引き出す

1つ目としてプロジェクトで掴むべきはステークホルダー、つまりプロジェクトに関わる人物。この人を知るということです。
プロジェクトで体制図があり、どのような立ち位置に誰がいるのかは分かっている。それでいいじゃないかと思う方もいらっしゃると思いますが、もう一歩踏み込みましょう。
ここでとある大規模案件の事例を交えてお話します。


今回の大規模案件では、モノゴトを決める権限を持っている人が社外の方となります。この方どのようにして〇〇の論点はXXで良いと判断するのでしょうか。

詳細は割愛しますが体制は以下のようになっていました。

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私は社外のAさんと会話しています。Aさんは毎日の会議で〇〇の論点はXXで良いですと小気味よく回答してくれます。ここまでは何の問題もありません。ところが、ある日のこと「上司からの横槍が入ったので〇〇の論点を再考して欲しい」「他の部署からの指摘が入ってしまった」ということが発生します。プロジェクトを始めてから1週間ほどでこのような事態が発生し始めました。
私から見た場合Aさんがモノゴトを決めてくれる担当者ではあるのですが、Aさんの裏に決定を覆す要素がいくつか存在しているのです。この後から会議内では「上司との会議はいつあって、何を気にしているのか」や「他部署の確認が必要か」等を質問していくことにしました。


つまり、ここで言いたいのはモノゴトを決めてくれる人がどうやったら決定できるのかを理解し支援してあげることです。そうすると結果的に自分がハッピーになります。ですが、プロジェクト推進をしていく中では相手の背景を理解するのは非常に難しいですし、聞き方によっては相手を信頼していないと捉えられてしまう可能性もあります。
そのための一つの手段として雑談が力を持ちます。雑談の中ではついつい自分の仕事に対する本音が出てきます。この本音が重要で、仕事の障壁となる課題を表しているため、相手が何を気にしながら動いているのかを知ることができます。ですがテレワークでオンラインミーティングをしているだけでは本音を引き出すのは難しいと思います。


そこで一つ私が実践していたコツをご紹介します。オンラインミーティングが予定より早く終わった場合、会話したい担当者だけ残ってもらいます。そうすると直前に多数の人で話していたテーマに対して、1対1で会話を自然と始められます。担当者もミーティングで感じていたことが様々あり話題が切れることなく会話できます。そうすると、同じテーマに向かって挑戦する同士という間柄が自然に醸成されていき、お互いに本音が出やすくなると私は感じています。
みなさんも本音を引き出すことを実践してみてはいかがでしょうか。

2.ステークホルダーの働き方を観察する

2つ目はステークホルダーの働き方を観察するということです。
早速ですがとある大規模案件で利用していたコミュニケーションツールを見ていくことにします。

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「Backlog」「メール」の2点と非常にシンプルだったのですが、この2つだけ利用すれば良いと考えているとプロジェクトはうまく進みません。
今回の案件の場合レビュー用のツールとしてBacklogを利用していました。レビューを出す際にチケットに期限を記載するのですが、期限通りに返信がないという事象が散見されました。これでは困ります。担当のAさんに会議の場でチケット確認して欲しいと伝えると、その場では必ず確認しますと返答をいただけるのですが、実態としてはチケット確認が進みません。
ここでAさんの普段の働き方を見てみましょう。


Aさんから伝えたい要件があると、いつも電話がかかってきてその場で要件を説明されます。また、こちらが急ぎ伝えたいことがある場合に電話をかけると必ず応答してもらえる状況でした。Aさんは「電話」を主なコミュニケーションツールにしていることが分かります。
システム開発を主にする職能の場合Backlogのようなチケット管理ツール利用に慣れがありますが、そうではない慣習を持った企業や担当者もいらっしゃるのです。
ここで気をつける必要があるのは電話だけのコミュニケーションに寄せれば良いということではありません。Backlogを導入した際には承認証跡が残る、確認するドキュメントの齟齬を発生させないといった目的がありました。そのため、Backlogでチケット起票しながら電話で確認期限を伝えるというコミュニケーションにアップデートし、当初目的を守りながら期限も守るを両立させることができました。


つまり、ここで言いたいのはステークホルダーの働き方を観察し、普段の働き方に沿ってモノゴトを進められるように環境を作ってあげることです。人は新しい習慣を身につけるのに2か月以上の期間がかかるという研究結果もあるようですが、そもそも自社以外の人に新しい習慣を身につけてもらうことは労力がかかり難易度が高いです。普段の働き方にアドオンするだけなら相手も動きやすいのです。
みなさんも相手の働き方を観察してみてはいかがでしょうか。

3.ステークホルダーとイメージを共有する

最後はステークホルダーとイメージ共有するということです。
こちらも早速とある大規模案件の例を見てみましょう。


私はリリース時にどのような成果物が必要になるかを今回の案件にアサインされた当初検討していました。担当のAさんに聞いてみるのが最も早いだろうということで、リリース時にはどのような状態となるべきですかと問いを投げてみました。Aさんの会社では類似案件が行われていることを知っていたので、すぐに答えが返ってくると考えていました。ところが、Aさんからは類似の案件みたいな感じが良いが、〇〇の課題があるのでなんとかしたい。というようなあいまいな返答が返ってきました。


なぜこのような返答が返ってきたかというと、Aさんもゴールをイメージできているわけではないのです。ですが、〇〇という課題はなんとかしたいというような漠然とした要求を持っているということは確認できます。
さらに具体的な質問を重ねてみます。TOPページのデザインはXXにしたいのだが守るべきものはあるかという質問を投げてみます。その際は特にないから好きに進めてもらって良いという返答をもらいました。後日デザイン案を提示すると追加で△△という要素を入れてほしいと要求が追加されます。具体的なイメージを持って初めてAさん側の要求、要件が出てきたのです。


そのため、ここからはとにかく原案を持ち込み提案するやり方にアップデートしました。また原案にはある程度の「絵」が必要です。デザインを例に取ると、「①情報設計→②ワイヤーフレーム→③デザイン」の3ステップで作成をしていくと思いますが、「②ワイヤーフレーム」の「絵」を提示します。情報設計だけだと文字だけなのでイメージが湧きづらい、デザインまで作ってしまうと手戻りが大きくなるためです。


つまり、ここで言いたいのは相手もゴールをイメージできているわけではない。お互いに共通のイメージを持てるように提案する必要があるということです。また、論点が明確にある場合は、いくつか案を提示して論点に対するメリットとデメリットの評価を提示してあげるのがより効果的です。
みなさんも相手がイメージできる原案を用意することを意識してみてはいかがでしょうか

まとめ

ここまで3つの肝を紹介してきましたが、共通して言えるのはプロジェクトで共に仕事をする人を理解してあげるということだと思っています。WBS管理、課題管理をガチガチにやったところで人が動かなかったら意味がありません。


私は米沢藩9代藩主の上杉鷹山が好きなのですが、彼は上杉家の生まれではなく養子として迎え入れられた人物です。彼にはゆかりのない米沢藩の人民と共に藩財政を立て直すというプロジェクトが与えられました。彼は農民でも意見が言える上書箱の設置等、米沢の人を徹底的に理解しようとしたと思っています。その成果もあり大きな飢饉を乗り越えることができるなどプロジェクトは成功したと言えるものだと私は考えています。
主にリーダーとしてのあり方で取り上げられることが多い上杉鷹山ですが、彼の考え方はプロジェクトを推進するという点に関して大きく役立つものだと思っています。共に仕事を進める人を理解するということは江戸時代から現代のプロジェクトでも共通して言える肝だと私は感じています。


ということで、みなさんも慣習や文化の異なる人とプロジェクトを進める際はステークホルダーへの理解を進めるということを意識してみてはいかがでしょうか。

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