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ゲームを全くやらない僕が、モンスターを狩るためだけに遠出をするようになった話

こんにちは。プロダクトデザイン室の阿部直道です。
突然ですが皆さんは、スマホゲームは好きですか?

僕は普段全くゲームをしません。
しかしある日社内で、「プロダクトマネージャーは、スマホゲームから学ぶことがとても多いんだよね」ということを上司から教えてもらいました。

最初はあまりピンと来てなかったのですが、ある日カフェで私がコーヒーを飲んでいるときに、隣に座っていたお客さんがおもむろにカバンからスマホを3台取り出し、3台同時に同じスマホゲームを開いて、3台同時にポケモンを捕まえる熱狂ぶりを目の当たりにしました。

自分と同じような社会人が、スマホ3台を手に入れてまで遊びたいと思わせる何かがスマホゲームにはある。そういう目線でスマホゲームを捉え直すと、ユーザーの熱狂を生み出すヒントがそこにはありそうだと思えるようになりました。

この記事ではスマホゲームから学んだ、サービスが人を惹きつける3つの仕掛けについて学びを共有したいと思います。


実際にやったこと

まずは「人気のスマホゲームTOP5」をChatGPTに教えてもらいました。
その5つを自分のスマホにダウンロードして、「あ、今俺ハマっているな」という実感を得られるまで進めてみました。

色々やってみた結果、僕が一番ハマったのは『 Monster Hunter Now (通称モンハンNow)』でした。

奇しくもあの日カフェで見た「スマホ3台の使い手」が熱狂していた『ポケモンGO』と同じ企業が提供しているスマホゲームでしたモンハンNowで遊んだことない方に向けて、簡単に内容を説明します。

ゲーム画面上に広がるフィールドと、実際に自分が今いる場所のマップがリンクしていて、そこに素材アイテムやモンスターがいます。
モンスターを倒すと素材アイテムが手に入り、素材アイテムを使ってさらに自分を強くする武器を生成できます。
モンスターを倒して、ゲーム側から課されるミッションを達成すると、ハンターランクが上がります。ハンターランクが上がるにつれてモンスターが強くなるなどゲームの難易度が上がっていきます。

ゲームに興味がなかった僕が、気がついたら、モンスターを狩るために最寄り駅から家までを遠回りしたり、近くのコンビニに行くつもりが2つ先のコンビニまで行ってしまったり、挙げ句の果てには特定のモンスターを倒してアイテムをGETするためだけに他に何の用事もないのに電車に乗って遠出をするようになっていました。

なぜゲームをやらない僕が、『モンハンNow』にハマったのか?
『モンハンNow』はなぜ僕を遠くの地まで歩かせるのか?

仕掛け①:とにかく操作が簡単かつ手軽

『モンハンNow』を開始すると、まず雑魚モンスターを倒すチュートリアルが始まります。

モンスターを倒す操作は極めて簡単で、スマホ画面のタップで攻撃し、画面上の自分のキャラクターを文字通り指で左右上下に動かしてモンスターからの攻撃を回避します。基本的にそれだけでモンスターハントが完結するので、難しいことが何もなく、非常に簡単です。

倒すのに時間がかかる、強い大型モンスターも出てくるのですが、倒すまでの制限時間が75秒なので、手軽に楽しめます。

遊び方を覚えるまでのハードルが高いとそもそも楽しさを知るところまで行かなかったと思うので、この操作性の簡単さと手軽さは僕にとって重要でした。

仕掛け②:ありとあらゆる達成感を感じられる

『モンハンNow』では、「瞬間的な達成感」と「これまでの歩みを振り返ってしみじみ感じる達成感」の2種類の達成感を味わうことができます。

まず瞬間的な達成感は、デイリーで課されるミッションをクリアしてハンターランクを上げられた時です。デイリーで課されるミッションは複雑なものではなく、基本的に近所を歩き回っていれば達成できるものがほとんどなのですが、達成してハンターランクを上げられた時はなんだか嬉しく、「今日のミッション何だろうな、達成しなきゃ」という気持ちに自然となっていました。

そんな日々の積み重ねを通して勝ち得た自分のハンターランクと、自分の攻撃力が常に画面左下に表示されています。
このときに、「ああ、かなり頑張ってきたなあ」「もっと強くなりたいなあ」という気持ちが喚起され、「これまでの歩みを振り返ってしみじみ感じる達成感」を得ることができるのです。

仕掛け③:見知らぬ他のプレイヤーとのつながり

先述した、強い大型モンスターを倒す時、近くに同じ『モンハンNow』のプレイヤーがいたら、そのプレイヤーを誘って協働してモンスターを倒すことができる「マルチプレイ」という機能があります。
マルチプレイのいいところは、自分だけでは倒せないモンスターでも他のプレイヤーとなら倒すことができるお得感と、何より「今この瞬間、どこかで同じモンスターを倒した仲間がいるんだな・・・」という他者とのつながりを感じられるところにあると思います。

またそれだけでなく、自分より数倍強い他プレイヤーと遭遇することもでき、「こんなに強くなれるのか」「まだこのゲームにはまだそんなに白地があるのか」ということを実感することもでき、ゲームをプレイするモチベーションが湧いてくるようになっています。

自分の仕事に活かすなら

僕は普段、HR系プロダクトの企画推進を担当しています。実現可能性はさておき、『モンハンNow』から学んだユーザーを熱狂させる仕掛けを転用したらどうなるかを妄想してみました。

まず「とにかく操作が簡単かつ手軽」な状態を実現するために、「1sessionあたりの滞在時間」を短くすることをKPIに据え置き、少ない工数で目的が達成できるようなUXを設計します。

例えば求職者と面接の日程調整をする際、「面接官の空き日程を人事の方が確認する」→「求職者の希望日程をヒアリングする」→「求職者の希望日程と面接官の空き日程のANDを人事の方が探して調整完了する」というアクションが必要です。これに対して、社内ユーザーのスケジュール管理アプリと採用管理システムを同期し、求職者が希望日程をメールではなくシステムに入力できるようなインターフェースを開発することで、ボタン一押しで「求職者に希望日程の入力を依頼」→「求職者が希望日程を入力した瞬間に面接官の空き日程を探し出し、自動で面接日時を確定」という簡単かつ手軽な体験を実現したいと思います。

次に「達成感」を感じてもらうために、法人ユーザーが能動的に目標を持てるような設計をします。

例えば、求職者の方に魅力が伝わる求人票を作成するのに必要な観点・文字数を機械学習をベースに抽出し、目指すべき品質の目安として表示。求人票を作成する画面で、その目安値に対してどれくらい作成が進捗しているかを可視化します。品質の目安を達成した際に、いかにそれが素晴らしい仕事だったかを讃えるメッセージを出します。 それだけでなく、スカウト送信完了した際の演出やポップアップのデザインにこだわることで、瞬間的な達成感も演出したいです。

最後に「他プレイヤーとの繋がり」という観点で、求職者が求人をどれくらい見てくれたか、それは過去と比較してどれくらい増えているか、さらに見た上でどのようなリアクションを求職者がしれくれたのかなど、「返信」に至る手前の求職者のリアクションの動態を可視化することで、システムの奥にいる求職者の息吹を感じてもらいます。

求職者だけでなく、他社ユーザーと交流できるユーザーコミュニティを形成します。上手な使い方や、成功事例をシェアいただくことで、利用を科学する白地を感じてもらえるようにしたいです。

まとめ

以上が、ゲームを全くやらない僕が、モンスターを狩るためだけに遠出をするようになった経緯のお話でした。

単純明快な操作性で、ユーザーにあらゆる時系列で達成感を感じていただき、他プレイヤーとのつながりを形成するというのは、いろいろなプロダクトに応用ができる、熱狂の仕掛けだと感じました。

もちろん一番大事なのは、本質的にそのプロダクトがユーザーの課題解決につながっているか?ということだと思いますが、一定の利用継続が必要なときには、スマホゲームが体現している熱狂の仕掛けからヒントをもらえるなと思いました。

そして今日も僕はこれを書き上げた後、モンスターを狩りに、2つ先のコンビニまで歩きに向かおうと思っています。



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