リクルート全社を横断して展開!デザインマネジメントユニットのナレッジシェアイベント「横断デザイン会」
初めまして、プロダクトデザイン室 デザインマネジメントユニット デザインマネジメント部で部長をしております、磯貝です。今回は、リクルートのデザイン組織で実施しているナレッジシェアの取り組みについてご紹介させていただきます。
組織・職種役割の紹介
デザインマネジメントユニットはリクルートのデジタルプロダクトのデザインを統括している事業横断の組織です。デザインを活用しプロダクトの価値を最大化していく役割としてデザインディレクターという職種のメンバーが約60名在籍しています。
デザインディレクターと一言で言っても、リクルート全体のプロダクトは多様な領域、フェーズ・規模、ビジネスモデルを有しており、その状況によって求められることは様々です。
プロダクトの立ち上げ期や大変革プロジェクト実行時に、デザインドリブンで事業の変革を牽引する役割が求められることもあれば、成長期のユースケースを複雑化していこうとしているプロダクトにおいて、インサイトを捉え、いかに最適なUI/UXを提供できるかを求められることもあります。また成熟期の大規模プロダクトにおいて、デザインの価値を翻訳し、ビジネスとデザインのバランスを取る役割を求められることもあります。
事業状況によって役割が変わるのがその大きな特徴です。
このような多様なプロダクトの状況に対して、デザインを軸に様々な価値創出に取り組んでいるメンバーで実践しているナレッジシェアの取り組みをご紹介します。
月次のナレッジシェアイベント「横断デザイン会」
デザインマネジメントユニットでは月次で「横断デザイン会」というナレッジシェアイベントを開催しています。(以下、デザイン会)
目的は「各領域の有益な情報が流通している状態を作る」「他のメンバーが何をやっているのかを知る」「困った時に周りに相談しやすい状態を作る」の3点で、レギュラーコンテンツとして「ナレッジシェア」「トピックスシェア」、イレギュラーコンテンツとして「懇親会」などを実施しています。
レギュラーコンテンツ1:ナレッジシェア(狭く深く)
レギュラーコンテンツのナレッジシェアは、各事業領域で実施したテーマやプロジェクトの事例を元に深い知見をシェアして、自分の担当領域に活かしてもらおうという試みです。
例えば、『SUUMO』『じゃらん』『ホットペッパービューティー』等における、「アプリのリニューアルプロジェクトスタートに至る合意ポイント」「デザインと事業影響の可視化についての研究」「リブランディング事例をもとにしたブランド戦略やネーミングロゴについて」などなど、様々なテーマやプロジェクトの知見をシェアしてもらっています。こちらは知識を「狭く深く」得ることをイメージして、ある程度そのまま担当領域に応用できそうなナレッジをメインのコンテンツとしています。
レギュラーコンテンツ2:トピックスシェア(広く浅く)
もう一つのレビュラーコンテンツがトピックスシェアです。こちらは組織が担当している数十のプロダクトの中で、現在進行系で動かしているプロジェクトの概要やトピックスなどをライトに提供するコンテンツになっています。
ここでは知識を「広く浅く」得ることをイメージして、誰がどこでどんなことをしているのかをざっくり把握できるようにしています。また事後にアンケートを取り、この中から更に詳しく聞きたいことを前述したナレッジシェアで改めて深掘って共有してもらうような仕組みも構築しています。
イレギュラーコンテンツ:ネットワーキングを目的とした懇親会など
不定期のイレギュラーコンテンツとして親睦会などがあります。横断組織ゆえに担当プロダクトが違うと他領域とは頻繁に関わることがないため、組織の一体感の醸成やネットワーキングを重視して、全体での親睦会はオンライン・オフラインを織り交ぜながら定期的に実施しています。
ナレッジシェア取り組みの考え方
冒頭に、デザイン会の目的は「各領域の有益な情報が流通している状態を作る」「他のメンバーが何をやっているのかを知る」「困った時に周りに相談しやすい状態を作る」の3点だとお伝えしました。このように横断デザイン会では、「ナレッジマネジメント」と「ネットワーキング」のサイクルを回すことを重要視しています。
ナレッジを規格的に取りまとめてデータベース化する等はしておらず、むしろナレッジマネジメントの部分はあまり厳格に仕組み化せず、ゆるいネットワーキングの中で、一定の属人性を担保しつつナレッジが流通する状態を目指しています。
※デザイン会の成り立ちの経緯に関しては、こちらの記事でもご紹介していますのでご覧ください。
デザイン会から派生した活用事例
このデザイン会を介した具体的な活用事例をいくつかご紹介します。
など、横断組織がゆえに多様なナレッジの蓄積が強みな反面、その流通はやはり課題ではあるのですが、デザイン会を起点にさまざまな交流を介して、それらを解決する良い動きが広がっています。今後はより規模が大きくなったときでも同様の動きができるよう、内容を検討していきたいと思っています。
まとめ
このように「ナレッジシェア」と一言で言っても様々な状況に合わせたあり方があると考えています。デザインマネジメントユニットの場合は、単純にナレッジを一方通行で受け取るだけではなく、その後の相乗効果も踏まえたコミュニケーションなどを総合的に設計しています。
ただ、このあり方に関してもあくまで一例で、各々が組織の状況に合わせて最適な手法を選択することが大切ではないでしょうか。
今回の記事をご覧の方の中にも、様々な組織状況の方がいらっしゃると思います。自組織にはどのようなナレッジシェアのあり方がありえるのか、当社の事例を参考に考えるきっかけにしていただけると幸いです。
おわりに
デザインマネジメントユニットの横断デザイン会は、チューニングを繰り返して常に改善を進めています。また、リクルート横断のデザインナレッジを得られる貴重な取り組みだと考えています。
このような取り組みに興味を持っていただけた方は、デザインディレクターの紹介ページもご覧ください。まだまだ仲間を募集中です。